2024年11月11日、荏原製作所は、独自開発したプラットフォーム「EBARA AI Chat」を国内従業員向けに導入、全社のQAチャットボットを同プラットフォームに全面移行すると発表した。
同プラットフォームは、まず2023年10月から研究開発部門でのPoC(概念実証)に着手し、次に2024年2月より複数のカンパニーでのPoCを進め、内製開発。同年7月末に全社展開を開始したとのことだ。
同社が従来利用していたQA用チャットボットは、予め質問と回答を設定する負荷が大きいという課題があったため、EBARA AI Chatへ置き換えたという。これにより、社内規則やマニュアル類をもとに回答が生成される形にし、準備負荷の軽減や、精度の向上・回答対象の拡大を図るとのことだ。加えて、外国語での問い合わせに該当言語で回答できる仕組みを構築し、多様な従業員の利便性向上を実現するという。
EBARA AI Chatの特徴は以下のとおり。
- 複数モデルの生成AIに対応:Gemini、GPT、Claudeなどの生成AIモデルを選択できるようにしている
- 多言語対応:データソースの言語に関係なく、外国語での問い合わせに対して、その問い合わせ言語で回答できるような仕組みを導入。外国籍従業員の言語の障壁を和らげ、エンゲージメント向上につなげている
- 閲覧権限を特定したナレッジ検索:各領域のデータソースごとに閲覧権限のコントロールを可能にし、全社向け・特定領域向けのナレッジ検索を同時に実現
- データカタログ機能とデータマネジメント:各領域ごとに登録されたデータソースや、それに含まれるファイル一覧、管理グループ、情報区分、更新日時などを確認できるデータカタログ機能を搭載し、データマネジメントに活用
今後は、EBARA AI Chatを国内外のグループ会社にも展開し、グローバルでの業務効率化を進めると同社は述べている。
【関連記事】
・荏原製作所、同グループの国内外IT資産管理にタニウムを採用 パッチ適用のセキュリティ負担が大幅改善
・荏原製作所、「ABeam Cloud」をベースにしたERPを国内グループ企業などで本格稼働
・静岡銀行ら3者、「生成AIチャットボット」開発に着手 Snowflake活用し銀行営業活動を効率化へ