中外製薬とソフトバンクとSB Intuitionsは、生成AIを活用して、新薬開発における臨床開発業務の革新を目指す共同研究に向けた基本合意を、1月30日を発効日として締結した。
同取り組みは、まず臨床開発業務を自律的に実行できるAIエージェントと、その能力を最大限に引き出せる製薬産業に特化した大規模言語モデル(LLM)を、共同で開発。このLLMに基づいた生成AIの活用により、臨床試験にかかる要員・費用の効率化を目指すという。
業務への生成AIの導入は、段階的に実施予定。まず、治験で必要となる文書の自動生成や、疾患情報・業界規制・社内手順などの必要情報の収集、探索的なデータ解析などの特定のタスクに対して、AIエージェントのプロトタイプを開発するという。その後、対象となるタスクを臨床開発業務全体に拡大し、複数のAIエージェントが連携するマルチエージェントシステムへと発展させるとのことだ。同マルチエージェントシステムと人が協働することにより、臨床開発における様々なタスクを効率化することで、一つひとつの臨床試験の実施および新薬承認申請に要する期間の短縮や要員・費用の削減が期待されるという。
各社の役割分担
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中外製薬
- 臨床開発特化LLMの学習用データの提供
- 臨床開発業務におけるAIエージェントの企画および評価
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ソフトバンク
- AI計算基盤の提供
- 臨床開発特化LLMおよびAIエージェントの社会実装推進
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SB Intuitions
- 臨床開発特化LLMに関する研究開発
- 臨床開発AIエージェントに関する研究開発
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