三菱商事、日本電信電話(NTT)、NTTコミュニケーションズ、モルゲンロット、アイパークインスティチュートの5社は、湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、湘南アイパーク)およびMCデジタル・リアルティ(以下、MCDR)が運用するデータセンターにおけるGPU計算力リモート提供に関する共同実証実験を開始した。
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同実証実験では、湘南アイパークとMCDRのNRT10データセンターをIOWN APN技術を活用した高速低遅延回線で接続することで、湘南アイパークに入居するテナント企業が遠隔でGPU計算力を利用できる環境を構築。同環境を起点として、以下のような検証を共同で実施していく予定だという。
- 高速低遅延を実現する回線でユーザー利用拠点と遠隔地のデータセンターとを接続することで、計算処理実行などのコンピューティングに影響を及ぼす遅延・フレームロスなどのネットワーク性能劣化が発生しないことの検証
- 今回構築する分析基盤が、創薬AI分析など、各産業において活用されるAIプロセス特有の多様なワークロードに適合し、実証協力テナント企業において業務効率化寄与・経済性などの観点で有効性が認められることの検証
- 今回構築する実験環境下において、IOWN APN技術を利用した遠隔GPU利用におけるコンフィデンシャルコンピューティングの実行可能性が認められ、製薬・創薬業界に必要とされるセキュリティ要件が満たせることの検証
同実証実験で利用する計算力提供にあたってはMCDRが運用するNRT10データセンターを採用しており、三菱商事にてNVIDIA H100 GPUを搭載したサーバーを設置。また、NVIDIAより湘南アイパークのメンバーとして製薬・創薬業界の専門知識や、テナント企業向けにAI創薬の最新の業界動向のアップデートやサービスのユースケースの検討にあたっての支援を受けているという。
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