2025年3月27日、三菱電機と早稲田大学は、DXの人材育成における産学連携を推進するため、三菱電機人財統括部と早稲田大学データ科学センターの間で協定(箇所間協定)を締結した。

両者は今回の協定に基づき、早稲田大学の教育プログラムを活用した最新技術と理論を習得する場を、2025年度中に三菱電機グループの「DXイノベーションアカデミー」講座として同グループ従業員向けに提供。その成果を、早稲田大学における社会人および学生向けデータ科学教育プログラムにフィードバックして発展させていくことで、共に価値の向上を図る産学共創スキームの構築を目指すとしている。
なお、同協定は2023年11月8日、三菱電機と早稲田大学との間で締結した「サステナビリティ社会の実現に向けた包括連携に関する基本協定」に基づくものだとしている。同協定の概要は以下のとおり。
早稲田大学の教育プログラムを活用した三菱電機グループにおけるDX人材育成の推進
早稲田大学のカリキュラム・講座をもとに、三菱電機が定めるDX人材のスキルセットの能力開発に適した講座を、2025年度から「DXイノベーションアカデミー」の育成プログラムに組み込む。同学が既に保有している講座に加えて、同グループ専用講座を新規に開発し、講座修了においては「早稲田大学データ科学オープン認定制度」などの枠組みによりDXの知識・スキルの基準を満たしていることを同学が認定することで、即戦力として活躍できるDX人材を育成する仕組みを構築するという。
今後は、同社の事業領域におけるビジネス課題、最新のデータサイエンス技術やIoT/AI技術、産業界での応用などの視点で、同学と共にDXイノベーションアカデミーの育成プログラムのさらなる改良、開発を進めるとのことだ。また、同プログラムを通じて得られたDX人材育成の成果を、同学におけるデータ科学教育プログラムにフィードバックし発展させていくという。

早稲田大学で2025年度に開講する三菱電機グループ向け講座(2025年4月1日時点)
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三菱電機でのキャリア形成支援を通じた早稲田大学における人材育成の推進
早稲田大学の学生が大学で学んだ理論を実践で応用する機会として、三菱電機の実際のDX関連プロジェクトに早稲田大学の学生をインターンシップで受け入れるなどの、産学連携型キャリア教育プログラムを2025年度中に開始するという。これにより、データサイエンスの知識を深め、実際のビジネスに応用可能なスキルを獲得するなど、学生のキャリア形成を支援。また、同学が持つ最新の技術と知識、および同社が持つ現場の知見を相互に共有する場を構築するとのことだ。
相互の人財交流を通じた産学連携・共創の推進
両者で実施するDXやデータサイエンスに関する講演会・研究会、交流イベントなどを通じた、相互の人材交流を推進。これらの活動を通じて、企業における人材育成のあるべき姿や、大学が期待する企業のキャリア教育などについて議論し、大学教育から企業での実際のビジネスへの適用までを考慮した能力開発、人財育成スキームの構築を産学一体となって進めていくとしている。

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