米ワシントンD.C.にて2025年5月7日から開催されている、Nutanixの年次イベント「.NEXT 2025」が閉幕を迎える。
9日には、イベントの締めくくりとなるクロージング講演が行われると、NVIDIAやピュア・ストレージ、元シークレット・サービス特別捜査官のエヴィ・ポンポウラス(Evy Poumpouras)氏が登壇してステージを盛り上げた。
講演冒頭には、老舗の証券会社として知られているEdward Jones社が登壇すると、2018年以降、手作業によるVMベースのデプロイから、コンテナ化されたプラットフォームへと移行するために「Mesosphere(現:D2iQ)」を利用してきたことを紹介。200以上のアプリケーション開発チームを有する中、あっという間にスケールしたためNutanixとの連携を強めたとのことだ(Nutanixは2023年にD2iQを買収しており、「Nutanix Kubernetes Platform」が発表されている)。
Edward JonesでPaaSチームのリーダーを務めるクレイグ・ハフステドラー(Kraig Hufstedler)氏は、「複数の地理的に分散したデータセンターでオンプレミスのKubernetesを運用しており、社内の他部門と共用することもあるため、他のパートナーと『うまく共存できる』仕組みが必要だった。Nutanixのアプローチには、常に『パートナーシップを大切にする』という価値観があり、それが我々の文化にも自然にフィットした」と述べると、.NEXT 2025を見ても、他社プラットフォームと積極的にパートナーシップを築いている点が特長的だと振り返った。

クレイグ・ハフステドラー(Kraig Hufstedler)氏
今回、ピュア・ストレージやデル・テクノロジーズ、Ciscoとの統合については、会期中に何度も触れられており、クロージング講演には、ピュア・ストレージのマチェイ・クランツ(Maciej Kranz)氏が壇上に上がった。同氏は、「新たな選択肢がほしい」「シンプルさと柔軟性を両立してほしい」というユーザーの声に応えるため、マーケティング観点からの単なる協業ではなく、プロダクトマネジメントチームとエンジニアリングチームによる“技術的な議論”を重ねながら共同開発を進めてきたことを強調。(会期中の発表は)長期的な技術戦略の一環であるとした。

マチェイ・クランツ(Maciej Kranz)氏
また、続けてNVIDIAのケビン・ダイアリング(Kevin Deierling)氏も登壇すると、同社がMellanox Technologiesを買収したことからNutanixとの協業関係が続いており、現在のAIにおけるフルスタック(コンピュート+ネットワーク+ストレージ)の結実につながっているとする。その上で、AIはもはや選択肢ではなく、「使わないこと」がリスクになると指摘。Nutanixとの提携によって必要な基盤はすでに整っているため、今すぐに使ってみてほしいと呼びかけた。

ケビン・ダイアリング(Kevin Deierling)氏
最後に、Nutanix CMOのマンディ・ダリワル(Mandy Dhaliwal)氏が登壇すると、.NEXT 2025での発表は「まだ始まりに過ぎない」と強調。その後、同氏の呼びかけで同社が掲げているコンセプトから「Run Anywhere !」と会場が一体となり声をあわせると、盛り上がりの中でイベントの幕は閉じた。なお、2026年の年次イベント「.NEXT 2026」は、2年ぶりとなる米シカゴでの開催が予告されている。

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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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