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MIXI、「モンスト」サーバーにNew Relic導入 システムの安定稼働で成果、チームのパフォーマンスも向上

 MIXIは、同社が手がけるソーシャルゲーム「モンスターストライク(以下、モンスト)」のアプリケーションサーバーに、New Relicが提供するオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入した。

 モンストは、2024年の年間モバイルゲーム収益で国内トップにランクインし、MIXIの収益の柱となっている。2025年5月時点で世界累計利用者数は6,400万人を突破しており、グローバル展開(台湾・香港など)も行っているとのことだ。

 こうした成長を遂げる中、モンストのサーバグループでは以下2つのミッションを掲げているという。

  • サービスが盛り上がっている時にサーバーを落とさず、機能を安定稼働させて売上を確保すること
  • 10年以上続くタイトルの今後を見据えた継続可能な運用基盤の整備

 特に、コラボイベントや年始などのタイミングでは、アクセスが集中して運用が停止すると機会損失のインパクトが大きいため、システムの安定稼働は、常に最重要テーマの1つになっているとのことだ。

 モンストのサーバーは、主にインフラ/ミドルウェア/SRE(Site Reliability Engineering)を強みとした10名弱のメンバーで構成されるグループで運用しており、この体制で大規模なシステムを安定稼働させるためには、予測できない負荷への対応が課題になっていたという。平常時はサーバーに十分な余裕があるため、新機能やコンテンツの追加時も問題が表面化しにくく、実際に高負荷になって初めて問題が顕在化するケースがあったとしている。

 問題発生時には、必要な情報が十分に揃っておらず、原因特定に時間を要することも少なくなかったとのこと。加えて、従来は自社開発の観測システムを使用しており、問題発生時には一部のエンジニアに依存した対応となっていたため、属人性を避け新メンバーが入ってきても対応しやすい、標準的で学習コストの低いツールへの移行が求められていたという。

New Relicの採用理由と導入効果

 MIXIがNew Relicを採用した理由としては、まず導入の容易さが挙げられるとのこと。実際にAPM(Application Performance Monitoring)を導入してすぐに、ユーザーインターフェース上でデータを参照できたという。また、すでに社内の他チーム(「コトダマン」「家族アルバム みてね」)でNew Relicを導入しており、チームの垣根を超えてノウハウの共有ができる点もポイントだったと述べている。

 加えて、New Relicはユーザー数と取り込んだデータ量でコストが決まる料金体系を採用しているため、費用計画が立てやすかったことも評価されたとのことだ。

 現在は主にAPMを活用し、モンストのユーザーからの通信を受けるファーストアプリケーションサーバーに導入し、データセンター内の物理サーバーで動作する本番環境と、クラウド環境で動作するテスト環境の両方で活用しているという。2025年1月の本格導入から約3ヵ月が経過した時点で、すでに顕著な効果が表れているという。

 最も重要な変化はチーム全体の意識向上で、常時データが可視化されることでメンバーのパフォーマンス改善への意識が高まったという。技術面では、最重要イベントであるガチャの全体処理時間200〜300ミリ秒のうち、20〜30ミリ秒が高速化され、約10%の改善を実現。また、従来は数時間から1日を要していたデータベースのアクセスパターンの分析作業が、現在では画面を開くだけで即座に確認可能となり、業務の迅速化が図られたとのことだ。

今後の展望

 今後はキャッシュ層の監視、エラー観測の強化といったより広範囲の観測を計画しているとのこと。また、AIによる自動監視で人間が見落とすような問題の検出や、タイムリーなレポート生成といったAIを活用したパフォーマンス分析へ期待を寄せているという。

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