IT専門調査会社IDC Japan株式会社は、国内産業分野別のIT市場における2009年下半期の実績の分析と2010年~2014年の市場規模予測について発表した。
同社の発表によると、日本経済は徐々に明るい兆しが見えているが、先行き不透明なことから多くの企業でIT投資を抑制すると予測。2010年の国内IT市場規模は11兆2,168億円、前年比成長率マイナス2.4%と減少すると予測している。また2009年~2014年の年間平均成長率はマイナス0.1%、2014年のIT市場規模を11兆4,256億円と予測している。
2010年の各産業分野では、IT投資の抑制傾向が継続するため、ほぼ全ての産業でマイナス成長と予測。特に証券・その他金融、組立製造では、2010年もマイナス幅が大きくなるとみている。また官公庁では、政府による事業仕分けや公共事業の見直しが継続中のため、IT予算は抑制されている。その一方で、医療分野ではプラス成長を維持し、保険、教育では比較的マイナス幅が小さくなると予測している。
2011年の国内IT市場は、前年比成長率プラス0.8%、市場規模11兆3,111億円と予測。なお2011年は、経済環境の改善に伴い、多くの産業分野でプラス成長に回復すると予測。特に、これまで凍結されていたシステム刷新案件が、再開されることから、銀行、組立製造、公共/公益で比較的高い成長率となるとしている。また通信/メディアでは、LTEなど次世代携帯規格の導入に伴うIT投資が加速すると予測している。