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「モジュラー型アーキテクチャで柔軟な構成に」デル・テクノロジーズ、AIネイティブ企業への移行を支援へ

 デル・テクノロジーズは、現地時間5月18日から21日にかけて米国ラスベガスで開催された年次カンファレンス「Dell Technologies World 2026」に関する記者説明会を6月26日に開催し、発表された内容のハイライトを説明した。

 冒頭、同社の藤森綾子氏は、最高経営責任者(CEO)のマイケル・デル氏によるメッセージを引き合いに出し「AIをツールとして使う段階から、AIを前提として業務を遂行する“AIネイティブ”への移行が、今後の企業の優位性を左右する」との見解を示した。

 また、企業がAI活用を拡張する上では「AI-Ready」なデータ基盤の全社的な整備が必要だとして、電力を大量に消費するインフラコストの壁や、迅速な展開を阻むスケールの壁を克服するため、同社が「Dell AI Factory」を通じて、エコシステムパートナーとともに包括的な支援を強化していることを強調した。

デル・テクノロジーズ株式会社 常務執行役員 ソリューションズアーキテクト 統括本部長 藤森綾子氏

 続いて、同社 増月孝信氏が登壇し、AI基盤に特化した具体的なソリューションの発表内容について詳述した。

デル・テクノロジーズ株式会社 インフラストラクチャー・ソリューションズSE統括本部 AIプラットフォーム・ソリューションズ (AIP) AI Elite | CTO Ambassador 増月孝信氏

 増月氏は、これまでの集中型からエージェンティックAIによる分散型コンピューティングへのシフトに対応するため、ガバナンスとセキュリティを維持しながら全体を統合管理する仕組みが重要になると指摘する。同社が推進する「Dell AI Factory with NVIDIA」は、本番環境対応のエージェンティックAIを実現する「Dell Deskside Agentic AI」をはじめとし、大幅に機能が強化されているとした。

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 インフラストラクチャーの提供方法についても、従来の固定的な構成から、より柔軟な「モジュラー型アーキテクチャ」への転換が発表された。コンピュート、ストレージ、ネットワークをそれぞれモジュール化し、初期の基盤モデルから必要に応じてリソースを拡張できる仕組みを提供する。ここで鍵となるのが、マルチクラウド環境での運用の自動化と一貫性を担保する統合管理ツール「Dell Automation Platform」であり、インフラの迅速なスケールを支援するという。

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 また、大規模なAIインフラの導入を加速させるため、高密度ラックとして提供される「Dell PowerRack」が紹介された。この一環として発表されたソフトウェア定義型の次世代オブジェクトストレージ「Dell Exascale Storage」は、サーバー内に柔軟に大容量ストレージを展開でき、高いスケールアウト性能と柔軟性を備えているとした。

 次世代のGPU採用にともなって深刻化する熱問題に対しては、デル・テクノロジーズが独自に設計した液体冷却ユニット「Dell PowerCool CDU C7000」が紹介された。これにより、サードベンダー製品に頼ることなく、リモート管理機能や高い冷却能力をワンストップの保守体制とともに提供することが可能になったとしている。

 さらに増月氏は、AIエコシステムプログラムのフォーマル化についても説明した。たとえば、Googleの「Gemini」をオンプレミス環境でセキュアに稼働させる「Google Distributed Cloud」での協調や、OpenAIのモデルとデル・テクノロジーズのデータプラットフォームとの連携ロードマップなどが示された。さらに、大規模な投資が難しい顧客向けに、NVIDIAの技術を組み込んだ高機能なワークステーション環境「Dell Precision」を提供し、デスクサイドでのエージェンティックAIの開発から本番展開までを支援するサービス体制を整えていることを報告した。

 最後に、同社 森山輝彦氏が登壇し、AI基盤を支えるモダンデータセンター向けのコンピュートおよびストレージ製品の進化について説明した。

デル・テクノロジーズ株式会社 執行役員 インフラストラクチャー・ソリューションズSE統括本部長 森山輝彦氏

 森山氏は、AIワークロードの急増に加えて、昨今のハイパーバイザー市場のライセンス変動や半導体コストの高騰が、企業のIT運用を圧迫していると現状を分析する。この課題に対する回答として、同社はオールフラッシュエンタープライズストレージ「Dell PowerStoreElite」を発表した。

 同製品は、今後5年から10年先に出現する未来のハードウェアやソフトウェアの技術進化を取り込める設計になっており、データ移行をともなわずに長期的な運用を可能にするもの。性能面では前世代比でおよそ3倍の性能向上を記録したほか、データ削減技術の向上により、最大で6:1のデータ削減保証を提供する。これにより、爆発的に増加するデータを現実的な設置スペースと電力消費で効率的に収容できるという。

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 データセキュリティの面においては、インテリジェントな脅威検知ソリューション「Dell Cyber Detect」が紹介された。これは、従来のバックアップ装置側で行っていたクリーンなデータの監視と検証の機能を、プライマリーストレージである「PowerStore」や「PowerMax」のレイヤーへ直接適用するという。サイバー攻撃を即座に検知するだけでなく、どの時点のデータが安全で復旧可能なのかを常にチェックしているため、万が一の際にもシステムを迅速に復旧できる体制が整うとしている。これらを、新発表のデータ保護アプライアンス「Dell PowerProtect One」などと組み合わせることで、エッジからクラウドに至るまで適材適所のデータ保護が実現するとした。

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 森山氏は、これらの多様なインフラ環境を一元的にまとめ上げる「Dell Automation Platform」の機能強化についても述べた。従来の各種ハイパーバイザー対応に加え、新しくMicrosoft Azure LocalやNutanixなどのサポートが追加されたことで、主要なプライベートクラウドおよびハイブリッドクラウドの環境を網羅できるようになったという。さらに、検証済みの標準構成を自動デプロイするだけでなく、ユーザーが独自の運用ルールや自動化ツールをカスタマイズして組み込める「Dell Automation Studio」の提供も開始されている。

 デル・テクノロジーズは、この統合自動化プラットフォームを軸に、コアデータセンター、エッジ、そしてAIファクトリーのすべてを有機的に結合し、企業の自律的なシステム運用と将来への変化を支援していく展望を示した。

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この記事の著者

竹村 美沙希(編集部)(タケムラ ミサキ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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https://enterprisezine.jp/news/detail/24609 2026/07/02 16:00

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