この調査は、2012年5月~7月にかけて、IT機器・ソフトウェア・ネットワーク・システムの運用保守サービスを展開する企業を対象として実施したもの。調査方法は、同研究所の研究員による直接面談、電話、電子メールによる取材、ならびに文献調査を併用して行われたという。
調査対象となった、運用サービスは顧客企業の情報システムの運用業務を代行するサービスを指し、それは、顧客企業内にある情報システムを対象とする「オンサイト運用サービス」とデータセンター内にある情報システムを対象とする「データセンター運用サービス」にわかれるという。また、データセンター運用サービスには、ハウジングやホスティングも含まれるという。
また、この調査における保守サービスとは、顧客企業の情報システムの保守業務を代行するサービスを指し、顧客企業内にある情報システムを対象とする「オンサイト保守サービス」とデータセンター内にある情報システムを対象とする「データセンター保守サービス」にわかれるという。
発表によると、調査結果の概要は次のとおり。
・2011年度のシステム運用保守サービス市場は3兆5,176億円
2011年度のシステム運用保守サービス市場は、前年度比102.8%の3兆5,176億円(事業者売上高ベース)であったという。システム運用保守サービス市場は、保守サービスの縮小を運用サービスがカバーする形で成長し、2010年度から2016年度までの年平均成長率は2.6%で推移、2016 年度には3兆9,856億円に達すると予測している。
・運用サービスは順調に拡大
自社の情報システム部員をより付加価値の高い業務にシフトさせるために、システム運用業務を外部委託する企業が増加していることや、システムの複雑化・高度化に対応しきれずに、外部の専門家に運用業務を委託する企業が増加しているため、運用サービスの利用が増えているという。また、震災以降、事業継続対策を目的にデータセンターの利用が増加していることも、運用サービス市場の成長を後押ししているとしている。
運用サービス市場の2010年度から2016年度までの年平均成長率は5.4%で推移、2016 年度には、2兆3,769億円(事業者売上高ベース)に拡大すると予測している。
・保守サービスは縮小傾向が続く
保守サービス市場の2010年度から2016年度までの年平均成長率は-0.8%で推移、2016年度には1兆6,087億円(事業者売上高ベース)になると予測している。保守サービス市場は、ハードウェア単価の下落に伴い保守料金が低下していることや、仮想化技術によりサーバー等の統合が進み、保守対象となるIT機器数が減少しているため、縮小傾向が続いているという。