このプロジェクトは、複数の広域ネットワークインフラを統合管理するプラットフォームや、そこで用いるアプリケーションなど、広域ネットワークのさまざまな要素を総合的にSDN(Software-Defined Networking)化することをめざすもので世界初だという。
このプロジェクトでは、データセンタなどの企業独自のネットワークへの導入が始まっている「SDN」を、通信事業者やインターネットなど広域ネットワークインフラに適用するための研究開発を推進するという。
このプロジェクトによる広域SDNが実現することで、通信事業者は、広域ネットワークにおいて、サービスプロバイダの要求に応じてネットワークを従来の約1/10の時間で臨機応変に設計・構築・変更できるようになるという。これにより、サービスプロバイダにとっては、サービスの開設・撤収時間を大幅に短縮することが可能になるとしている。
発表によると、プロジェクトでは、次の3つの研究開発を行うとしている。
(1) ネットワーク管理制御プラットフォーム技術
さまざまなサービス要件を満たしたネットワークを構築して迅速なサービス提供を可能とする、SDNプラットフォームソフトウェアを開発。
(2) ネットワーク設計・構築・運用管理ソフトウェア技術
開発されたプラットフォーム上で動作する、ネットワーク設計や構築、運用管理を行うソフトウェアを開発。
(3) 仮想化対応ネットワーク装置技術
上記によって制御可能なSDNネットワーク装置の開発。
また、5社の分担は次のようであると発表している。
・NEC:ネットワーク管理制御プラットフォームの開発、無線通信システムのSDN化
・NTT:ソフトウェア通信機器のSDN化
・NTTコミュニケーションズ: SDNを設計・構築・運用するためのガイドライン作成
・富士通:光通信システムのSDN化
・日立製作所:パケットトランスポートシステムのSDN化
このプロジェクトでは、研究開発と実証実験の最終的な結果は、2016年3月末までに、総務省に報告するとともに、研究開発成果の実用化をめざし、研究成果のグローバルな普及や、標準化を推進していくという。その間、2013年度中にホームページなどにより情報公開を開始、2014年度中には成果の一部をオープン化し、国内外の通信事業者・サービスプロバイダ・ベンダへの提供をめざすとしている。
なお、プロジェクトの詳細は、2013年9月18~20日に恵比寿 ザ・ガーデンホールにおいて開催される「SDN Japan 2013」で紹介されるという。
■「SDN Japan 2013」の詳細
http://www.sdnjapan.org/