大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下、慶應SFC)の学生の起業を支援する取り組みとして、学生2名との合同会社マイアース・プロジェクト(以下:マイアース・プロジェクト)を7月7日に設立した。マイアース・プロジェクトでは、環境破壊と保全活動の大切さなど地球環境を取り巻く問題点を学ぶことができる小中学生向けトレーディングカードゲーム『My Earth(マイアース)』の販売および関連事業を行う。
DNPは、慶應SFCで2006年から寄附講座「アントレプレナー概論」を協賛するとともに、その講座の受講者の考案したアイデアの中から、特に優れたものについて、DNPのベンチャー制度を利用して事業化を支援している。今回、地球環境を学ぶトレーディングカードゲームのアイデアを開発した学生のプロジェクトに対し、2007年10月から事業化に向けたフィジビリティ・スタディを行ってきた。小学生から高校生までの700名の学生に実際にゲームを行ってもらうとともに、教材としての利用や販売などの事業化の検討を実施。実際に体験した学生の評価としては「面白い」「発売されたら買いたい」などの声が多く寄せられたという。また、各地の小学校において、教育プログラムとしての利用について継続した研究を行い、その有効性が確認できたほか、CSR活動のツールとして数社の企業から採用が決定している。
『My Earth』は、2人または2チームに分かれて「生態系カード」と「環境破壊カード」を使用して対戦するゲーム。「人間の活動カード」が生態系、環境破壊のどちらにも影響を与える存在として登場。ゲームの進行を通じて、人間の活動が生態系や地球環境にあたえる影響や、自然界の生態系における食物連鎖などを学ぶことができる。「人間の活動カード」は「風呂の残り湯で洗濯たく」「明かりをつけっぱなしにする」といった生活者の日常の行動に加え、環境保護に取り組む実在の企業・団体の活動を紹介するカードも含まれている。カード制作については慶應SFCの環境、生態系などを担当する教授陣が参加し、専門家の立場から助言もしていく予定。