このサービスは、性能確保や、物理的に隔離したクラウド環境での機密データの処理などのニーズに応えるもので、高負荷処理に適したサーバと、低負荷処理・並列分散処理に適したサーバの2種を提供。これにより、オンプレミスのプライベートクラウドと同等の環境をデータセンター上で実現する。
このサービスにより、新事業立ち上げのためのビッグデータを活用したシステムにおいて、データの特性や処理形態に応じて、高負荷処理または並列分散処理に適したシステムが構築可能となり、コストの最適化を実現するという。
また、CPU性能、OS、ミドルウェアなど多様なシステム要件に対応可能となるため、基幹システム構築への柔軟な対応を実現する。さらに、「NEC Cloud IaaS」へのシステム移行や構築・運用を支援するサービスなども提供し、多様なニーズへの対応を強化するとしている。
今回の「Cloud IaaS」の強化は、大きくわけて3点で行われており、第1のポイントとして、次のようなサーバおよびストレージサービスの強化があげられている。
1. 物理サーバサービス
・物理サーバサービス(Xeon):Intel社のXeonプロセッサを搭載したサーバをサービス提供。「NEC Cloud IaaS」と同一のネットワーク上に配置しており、ファイアウォールやロードバランサなどのネットワークサービス、ファイルストレージサービスなどを利用可能。
・物理サーバサービス(Atom):Intel社のAtomプロセッサを搭載したデータセンター専用省電力・高集積サーバとその管理システムをハウジング環境に設置し、保守サポートも含めて提供。
2. オブジェクトストレージサービス
画像・動画ファイルやバックアップファイル、ログファイルのアーカイブなど、大容量データを容量の制限なく保存できるオブジェクトストレージサービス。「NEC Cloud IaaS」のデータディスクサービスやファイルストレージサービスと組み合わせて利用することで、データ保存コストの最適化を実現。
第2のポイントとして、次のように「NEC Cloud IaaS」の移行・構築・運用を支援するサービスを強化したことがあげられる。
1. 「NEC Cloud IaaS」へのスムーズな移行を支援するVMインポートサービス
オンプレミスにある既存システムを「NEC Cloud IaaS」に移行する際に、オンプレミスで構築した仮想サーバのVMイメージ(仮想マシンの構成やシステムディスクデータなど)を用いて、「NEC Cloud IaaS」上に新たな仮想サーバを構築するための作業環境を提供。
2. 検証済みのテンプレートを基に、高品質なシステム構築を実現するテンプレート型プロビジョニング
NECで事前検証したシステム構成をテンプレート化し、それに基づきサーバやストレージなどの調達(プロビジョニング)を一元的・自動的に実行可能な機能を開発。この機能は「NEC Cloud IaaS」環境に顧客システムを構築する際に活用することで、高品質なシステムの構築を短期間で実現。
3. 海外顧客向けの英語版セルフサービスポータル
「NEC Cloud IaaS」と、オンプレミスや他のクラウド基盤サービスを組み合わせたハイブリッドクラウド環境を統合運用できるセルフサービスポータルについて、海外顧客向けに英語版の提供を開始。
また、データセンター間ネットワーク接続サービスの強化が第3のポイントとしてあげられている。
これは、「NEC神奈川データセンター」と、NECの他の主要データセンターを結ぶデータセンター間ネットワーク接続サービスを強化し提供。これにより、すでに他のデータセンターで利用しているハウジングのシステムやクラウドサービスと「NEC Cloud IaaS」のシステム連携を、個別の専用線接続を利用する場合に比べて柔軟・安価に実現するというもの。