IDCでは、IoTを「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なインテリジェントシステム/エッジデバイスからなる、ネットワークを束ねるネットワーク」と定義している。
IoT市場のエコシステムの構成要素には、インテリジェントシステム/エッジデバイス、コネクティビティ、プラットフォーム、アナリティクス、アプリケーションがあり、さらに、それらに付随する専門サービス、セキュリティサービスも含まれる。
なお、「インテリジェントシステム」について、IDCでは「高度なオペレーティングシステムを有し、自動的にインターネットに接続され、ネイティブアプリケーション/クラウドアプリケーションを実行し、センサーなどが収集した情報を分析する機能を持つ安全に管理された電子システム」としている。
IDCは、IoTはすでに単なるバズワードではなく、ベンダーの将来的な成長を支える上での重要な実ビジネスになりつつあるとして、IoT市場に対しさまざまな事業者が取り組みを活発化しているとみている。
世界の地域別のIoT市場の傾向として、他の大陸と比較して国境が細かく分断されていない北米市場では、法規制や技術標準化のギャップというような阻害要因の影響が少なかったことから、IoT市場の土台を早期に築くことに成功し、短期的には市場をけん引する立場にあるとしている。
一方で西欧とアジア太平洋地域では、政府の指導やよりオープンな環境を重視する思想が後押しすることにより、IoTデバイスの普及台数が2020年までに北米を上回るとIDCでは予測している。
そのほか、この市場予測では次のような点を指摘している。
- IoT市場において、一連のベンダー、サービスプロバイダー、システムインテグレーターが成功を収めるには、共存し、製品やソリューションを統合する必要がある。
- IoT向けインテリジェントシステム/エッジデバイスの接続数は2020年に約300億台に達する。
- 新興ベンダーは、IoT市場に攻勢をかけるべく、戦略的に事業を切り出すことで取り組みを加速させており、それによって大手ベンダーのイノベーションが創出される。