2014年~2019年の年間平均成長率は6.7%、2019年市場規模は1兆3,386億円と予測
2014年~2019年は、年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)6.7%で順調に成長し、2019年の市場規模は1兆3,386億円と予測している。自社サーバールームから事業者DCへシステム移設する事例や、既存DCから耐震性能の高いDCへのマイグレーション事例が増えていることが要因となっている。
また、オンラインゲーム、映像配信、SNS(Social Networking Service)、ネット通販などのいわゆる「ネットビジネス」の市場成長にあわせて、サーバー能力が増強されていることも、データセンターサービス市場の拡大に寄与している。
クラウドサービスの伸びが市場拡大をけん引
国内DCサービス市場で今後最も拡大速度が速いのは、クラウドサービスによるサーバー能力の提供サービスだ。
これまでWebアプリケーションなどのサーバーやシステム開発環境として使われることが多かったクラウドサービスだが、企業の業務システムのサーバーとして利用される事例が次第に増えている。
これによって、新たな顧客需要が掘り起こされると同時に、従来のDCサービス利用事例が、安価なクラウドサービスに置き換わりつつある。
2015年の国内市場においては、SI事業者/ITベンダーのシェアが63.6%、通信事業者の シェアが22.3%、DC専業事業者のシェアが14.2%となっている。このうち売上拡大が最も顕著なのは、クラウドサービスの急成長が特に著しいDC専業事業者で、2014年~2019年のCAGRは11.4%になるとIDCでは予測している。
安価なサービスへのシフトにより価格競争が激化する一方、設備仕様/サービス品質に関する顧客企業の要求は厳しくなっており、さらにDC老朽化に伴う設備改修コストの増大や電気料金の上昇が、DC事業者の収益性を圧迫している。
IDC Japan ITサービスリサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「ネットビジネスなどの成長分野への営業強化とともに、DC設備の調達/運用を見直すことが重要となる」と分析している。
今回の発表について詳細は、IDCが発行したレポート「国内SI事業者/ITベンダーのデータセンターサービス市場 2014年の実績と2015年~2019年の予測」と「国内通信事業者/DC専業事業者のデータセンターサービス市場 2014年の実績と2015年~2019 年の予測」にまとめられている。