国内クライアント仮想化ソリューション市場は、2015年3,972億円、2019年7,103億円に
市場の成長要因として、クライアント仮想化ソフトウェア技術の進歩、ネットワークインフラ基盤の拡大、全業種への普及と案件規模の大型化の3点が挙げられる。今後は業種/業務別の需要が高まる中で、通常のオフィス用途だけでなく、工場に配備される専用デバイス、銀行などの店舗に設置するATMなどを含むIoTデバイスへの浸透も進むとIDCではみている。
国内クライアント仮想化ソリューション市場は、2015年は3,972億円に、2019年には7,103億円まで拡大し、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は11.0%と予測している。
2016年は、社会保障/税番号制度(マイナンバー制度)、セキュリティ対策(情報漏洩対策)によって、クライアント仮想化の導入が加速するとみている。さらに、みずほ銀行(勘定系)、郵政グループ(かんぽ生命保険など)、東京電力など大型SI投資が続くため、今後IT技術者が不足し、クライアント仮想化もその影響を受けると考えられる。
クライアント仮想化第4世代はワークスペース、産業系デバイス、IoTがキーワード
IDCでは、2016年に「クライアント仮想化第4世代」が到来すると考えている。クライアント仮想化を包含したワークスペース製品/サービスが顕在化し、その中でWeb技術、三要素認証、コンテナ技術なども活用されると考えられる。
さらに、情報漏洩対策を重視する銀行、運用管理を効率化したい工場の生産ライン、生産性を向上させたい小売店など、それぞれに設置された業務/産業系デバイスに、仮想化技術が活用され、自動車、ロボット、IoTデバイスへの利用も検討されるとみている。
民間企業のみならず、自治体、官庁、あるいは教育機関(大学など)にCIOやCIOに準ずる人材の配置と専任化がさらに進み、IT部門の付加価値が向上し、ITがより重視されるようになるとみている。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「クライアント仮想化第4世代を迎え、仮想化技術は多様化し利便性は上がっている。IDCの提唱する第3のプラットフォームを踏まえた上で、クラウド、モビリティ、仮想化技術を活用するイノベーションが有効な施策となるであろう」と述べている。
今回の発表について詳細は、IDCが発行した「 国内クライアント仮想化市場 2015年上半期までの分析と2015年~2019年の予測アップデート」にまとめられている。