2014~2019年の年間平均成長率は4.2%で2019年には3兆1,147億円に
2015年上半期の国内ソフトウェア市場は、1兆3,232億8,900万円、前年同期比成長率が4.6%となった。前年同期に起こったWindows XPサポート終了特需と消費税増税前の駆け込み需要の反動は比較的軽微であり、堅調な成長となった。
大分類市場別では、アプリケーション市場が前年同期比成長率3.9%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が同5.9%、システムインフラストラクチャ市場が同4.5%とであった。
最も成長率が高いアプリケーション開発/デプロイメント市場では、データアナリティクス需要の高まりによって、ビジュアライゼー ションBIツールやクラウド型データベースサービスが高い成長となっている。
2015年の国内ソフトウェア市場は、前年比成長率4.2%を見込んでいる。さらに2016年は、前年比成長率4.5%と予測している。2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.2%、2019年には3兆1,147億円に達するとIDCでは予測している。
アプリケーション開発/デプロイメント市場ではSoE領域のPaaSが拡大か
また、大分類市場別の2014年~2019年のCAGRはアプリケーション市場が3.1%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が5.6%、システムインフラストラクチャ市場が4.5%と予測している。
アプリケーション市場では、企業においてデジタルトランスフォーメーションが進むことで、コグニティブシステムやデジタルマーケティングに関連したソフトウェアやクラウドサービスの急速な成長が見込まれる。
アプリケーション開発/デプロイメント市場ではデータアナリティクス関連の高成長が続き、さらにデジタル化の進展によってSoE(Systems of Engagement)領域におけるPaaS(Platform as a Service)の採用が拡大するものとみられる。
システムインフラストラクチャ市場では、サイバーセキュリティ対策やマイナンバー制度への対応に向けセキュリティソフトウェア需要の拡大や、クラウド基盤構築/管理ソフトウェアの導入の増加が市場成長をけん引していくとIDCではみている。
2016年からは第3のプラットフォーム上でデジタルトランスフォーメーション台頭
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、2016年以降の国内ソフトウェア市場について次のように述べている。
「2016年からは第3のプラットフォーム上でデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きが台頭する。DXはアプリケーション開発に変革をもたらし、ユーザー企業が自社のビジネスモデルにあわせてアプリケーションをデザインし、ソフトウェアコンポーネントやクラウドサービスを組み合わせて開発する。そしてソフトウェアベンダーには、従来の重厚長大な統合型パッケージではなく、ソフトウェアやクラウドサービスを通じて細かいコンポーネントを迅速に提供していくことが求められるようになっていく。ソフトウェアベンダーはDXをソフトウェアビジネス戦略の中核に据え、既存のビジネスや製品にとらわれずに、DXのあらゆるビジネス機会の可能性を探っていくことが重要である」
今回の発表について詳細は、IDCが発行したレポート「国内ソフトウェア市場 2015年~2019年の予測アップデート」にまとめられている。