クラウドデータサービス市場が前年比成長率103.5%で市場全体をけん引
IDCでは国内PaaS市場を、クラウドアプリケーションプラットフォーム、クラウドインテグレーションサービス、クラウドデータサービス、クラウドアプリケーション開発/ライフサイクルサービス市場、その他のクラウドプラットフォームサービスの5つの中分類市場で定義している。
このうち2番目に規模の大きいクラウドデータサービス市場が前年比成長率103.5%となる179億円となり、市場全体の成長を力強くけん引した。企業アプリケーションのIaaSでの利用規模が拡大したことで、アプリケーションと連携して利用するRDBMSの利用が増加したこと、非構造データを含むビッグデータの活用によってHadoopサービスのクラウド上での活用が広がっていること、クラウドDWHの普及などが急速な成長の背景となっている。
「PaaS基盤の提供に当たっては標準に則ったサービス提供が望ましい」
2020年の国内PaaS市場規模は1,761億円と予測している。企業のクラウド活用の進展によりハイブリッドクラウド環境が一般化し、クラウドインテグレーションサービスの需要が拡大するほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業のアプリケーション基盤として主流の位置を占めることで、中期的にCAGR 22.1%の高い成長を続けていくと予測している。
IDC Japanソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの草地慎太郎氏は、「今後の企業のDX推進の基盤としてPaaSの活用がさらに拡大すると予測されている。一方で個々のPaaS独自の実装に拠ったアプリケーションを開発することで、他のプラットフォームに移行することが難しくなることに対するユーザー企業の懸念がある。PaaSを提供するサービス事業者はユーザー企業の懸念を払拭し、利用を促進するために標準に則ったサービスを提供していくことが望ましい」と分析している。

今回の発表は、「国内PaaS市場予測、2016年~2020年」にその詳細が報告されている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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