WindowsのAdministrator、Linux/Unixのroot、Ciscoのenableなど、ユーザーアカウントやデータベースの管理、サーバーのメンテナンス、ネットワーク機器の設定変更等において高い権限を有するIDは、一般に「特権ID」と呼ばれる。特権IDは用途や関係者が多いため、パスワードを共用で使いまわしたり、外部のベンダーに一時的に貸し出したりする企業は少なくないという。
このように、一律の管理が難しい上、標的型攻撃や内部犯行で狙われるリスクが高い特権IDについては、複数の公的機関より管理体制強化を促すガイドラインが示され、各組織での対応が進んでいるという。中でも、総務省や金融庁から指導が入り、高いセキュリティレベルが求められている地方自治体や金融機関からは、システムを活用して特権IDを一元管理すると同時に、指紋認証等を活用して本人確認のプロセスそのものを強化する要望が多数寄せられている。
今回、EVEシリーズとの連携検証を完了したことで、「Password Manager Pro」へログインする際のID/パスワードでのユーザー認証を多要素認証(指紋認証、静脈認証、顔認証、ICカードリーダー)に置き換え、確実な本人確認を行える。これにより、なりすましによって特権IDが悪用されるリスクを低減できるとしている。