x86サーバーは出荷額が微減も、出荷台数は前年同期比プラス成長
今期の国内サーバー市場は、出荷額がマイナス成長だった。メインフレームおよびその他のサーバーの出荷額が前年同期比で2桁のマイナス成長となったことが要因となっている。また、x86サーバーの出荷額は、前年同期から微減となり、全サーバー出荷額のプラス成長要因にはならなかった。一方、出荷台数は前年同期比でプラス成長となった。全サーバー出荷台数の99%を占めるx86サーバーの出荷台数が、前年同期でプラス成長であったことが要因となっている。また、その他のサーバーの出荷台数もプラス成長だった。
x86サーバーの出荷額は、前年同期比1.0%減で939億円だった。出荷台数は、同1.3%増で13万8,000台。クラウドサービスベンダーに加え、金融、製造、通信といった大企業向けの需要が堅調であったとIDCはみている。
メインフレームの出荷額は、前年同期比11.7%減で234億円、その他のサーバーの出荷額は、同27.9%減で93億円だった。メインフレームとその他のサーバーの出荷額が2桁のマイナス成長になったのは、前年同期にあった官公庁、金融、製造向けの大型案件を補うほどの出荷がなかったことや、その他のサーバーにおける、低単価の中小型サーバー出荷比率が増加したことが要因となっている。なお、その他のサーバーの出荷台数は、前年同期比4.9%増の1,326台だった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は「x86サーバーは、クラウドサービスベンターに加えて、大企業向けの出荷が堅調であった。メインフレームとその他のサーバーは、ミッションクリティカル業務用途としての需要が依然として底堅い。クラウドファーストという考え方が進んでいるが、大企業を中心に、クラウドサービスかオンプレミスITかといった二者択一の選択ではなく、組織全体を俯瞰して最適なコンピューティングリソースを選択するという考え方が定着しつつある。ITベンダーは、製品のスペックやソリューションの優位性を訴求するだけではなく、顧客の経営に貢献するITインフラベンダーとして、顧客が得られる総合的なベネフィットを訴求してゆく必要がある」と述べている。
ベンダー別出荷額は、富士通、NEC、HPE、日立、デルの順
ベンダー別の出荷額では、富士通が首位を獲得した。その他のサーバーは2桁のマイナス成長だったが、x86サーバーは、官公庁や大企業向けの出荷が貢献し、2桁のプラス成長、メインフレームも、金融の大型案件が貢献し2桁のプラス成長だった。2位はNEC。前年同期の大型案件の反動で、メインフレームでは2桁のマイナス成長、x86サーバーもマイナス成長だった。
3位は、日本ヒューレット・ パッカード(HPE)だった。x86サーバーは2桁のマイナス成長だったが、その他のサーバーは、通信の大型案件が貢献し2桁のプラス成長だった。4位は日立製作所。前年同期の大型案件の反動でメインフレームとx86サーバーは2桁のマイナス成長だった。その他のサーバーもマイナス成長。5位はデル。x86サーバーは2桁のプラス成長だったが、通信などへの大口案件が貢献した。
今回の発表は、IDCが発行した「国内サーバー市場 2017年~2021年の予測:2017年第1四半期」にその詳細が掲載されている。