主要先進国において、BIM(Building Information Modeling) /CIM(Construction Information Modeling)に代表される建設業改革は義務化され、国家レベルで進んでいるという。日本でも国土交通省がBIM/CIMに関するガイドラインを策定し、急速に普及しつつあるものの、主要先進国のようにBIM/CIMに適した建設ワークフローへの業界全体の業務変革には至っていない。
こうした要因には、(1)導入コストが高い、(2)システム運用が極めて困難、(3)運用できるノウハウがない、(4)関係各社の情報セキュリティポリシーが異なり三次元建設設計データ等の情報を関係者間で共有することに極めて抵抗があること等が考えられるという。建築ライフサイクル全体におよぶ全ての情報を関係者間で共有するという、BIM/CIMの最大のメリットを活かしきれていないのが日本の現状だとしている。
BIM/CIMコラボレーション専用クラウドサービス「ArchiSymphonyVBP」は、GPU仮想化技術をリードするエヌビディアとVDI技術をリードするヴイエムウェアの技術協力のもと、クラウドデータセンターを運営するアイネットと連携することにより、国内初の試みとして、建設プロジェクトに関わる各社の情報セキュリティポリシーを包括管理し、仮想環境における三次元建設設計データのリアルタイム共有と永続的管理を実現することで、建設業改革の情報プラットフォームのデファクトスタンダードとなることをめざすとしている。
連携する各社の役割
・ペーパレススタジオジャパン:BIM/CIMサーバー運用とBIM/CIM Requirement策定ノウハウをもとにBIMデータ運用環境構築とサポート。
・アイネット:国内最高レベルの安全性を備えた自社データセンターでNVIDIAのGPU仮想化技術とVMwareのVDI技術を駆使したGPU-VDIサービスを提供。
・エヌビディア:BIM/CIMソフトなどのリッチなグラフィックスアプリケーションも快適に動作させることができるGPU仮想化のプラットフォーム「NVIDIA 仮想GPUソリューション」を提供。
・ヴイエムウェア:業界をリードする仮想デスクトップとアプリケーションのプラットフォームvSphereと、パフォーマンスに優れた仮想マシン向けのハイパーコンバージドストレージvSANを提供。
現在の課題に対する「ArchiSymphonyVBP」の4つの特徴
課題1:導入コストが高い【最新のGPU仮想化技術】
最新のNVIDIA仮想GPUソリューションを導入しているため、ユーザーはハイエンドパソコンを用意することなく、ローエンドパソコンやモバイル等のあらゆる端末からBIM/CIMソフトウェアを快適に使用することができる。
課題2:システム運用が極めて困難【システム管理者不要】
クラウドサービスなので、ユーザーはBIM/CIMのためのコンピュータシステムを構築する必要はない。また、「ArchiSymphonyVBP」は、VMwareの最新ハイパーコンバージド環境で運用するため、ユーザーの建設プロジェクト規模に応じてスケールアウトに適した環境を実現。
課題3:運用できるノウハウがない【BIM/CIM向けに専用チューニング】
ペーパレススタジオジャパンの長年に渡るBIM/CIM運用ノウハウを結集し、1つのGPU上に通常作業用7台、全体統合用1台の仮想デスクトップを構築、7+1のBIM/CIMに最適化したチューニングを施しているため、クラウドサービスでありながらハイグラフィックス環境の要求にも応じることができる。
課題4:関係各社の情報セキュリティポリシーが異なり三次元建設設計データ等の情報共有に抵抗がある【国内データセンター運用】
アイネットが国内のデータセンターでシステム基盤を運用し、高いセキュリティーを保ちます。万が一の事故対応の場合は、日本国内法が適用される。
また、高速ストレージサービスを始め、CPUクラスタやGPUクラスタ、ドローン3次元測量・画像解析、BIM/CIMライブラリ等、建設業改革に必要なオプションサービスを用意している。また、それらオプションサービス群はクラウド上の高速ネットワークで接続されているので、高速連携処理が可能になるとしている。