Oracle Cloudのコンテナネイティブ・アプリケーション開発環境
今年のOracle OpenWorldは、新しいデータベースの話題が前面に出た。世界初の自律型データベース・クラウドの構想を発表し、キーワードは「Autonomous」。これについては、CTOのラリー・エリソン氏が強くメッセージアウトしたこともあり、もっとも注目された話題となったのは間違いない。年内にはデータウェアハウスのサービスが登場する予定なので、その動向は引き続き追いかけていくことになる。
他にも、Oracleからはクラウド周りの開発環境の発表にいくつか興味深いものがあった。その1つが「Oracle Container Native Application Development Platform」だ。これはコンテナネイティブな継続的統合および継続的デリバリー(CI/CD)パイプラインの「Container Pipelines」、プライベート・レジストリサービスとなる「Container Registry」、Kubernetesベースのフルマネージドサービスである「Container Engine」の3つの要素から成り立っている。
Oracle Container Native Application Development Platformでは、買収したコンテナベースの開発プラットフォーム「Wercker」のCI/CDを使ってアプリケーションをビルドし、それをレジストリにプッシュしてKubernetesで管理するという一連の作業を、Oracle Cloudのプラットフォームの上で容易に実現できる。「このコンテナ管理のプラットフォームは、パフォーマンスも十分に良いものを発揮しています」と語るのは、Oracle Container Groupのバイスプレジデント ボブ・クィリン氏だ。この一連の作業が、一貫性あるユーザーインターフェイスで提供されているのも特長だ。さらにこの組み合わせでしか使えないわけではなく、独自のCI/CDや他社製のものをプラグインして利用することも可能となっている。
Container Engineで利用されているKubernetesは、オープンスタンダードなものが利用されている。「エンタープライズグレードのフルマネージドサービスとなっています。ロードバランサーの機能やベアメタルでの利用など、すべてがOracle Cloudにビルトインされた形で利用できます」とクィリン氏は説明する。