2017年第4四半期の携帯電話出荷台数は1,107万台、前年同期比13.6%増
2017年第4四半期、国内市場の携帯電話(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)の出荷台数は、前年同期比13.6%増の1,107万台となった。この要因としては、アップルのiPhone出荷が前年同期比22.9%増の621.4万台という記録的水準に達したことが挙げられる。消費者の関心が高かったiPhone Xの出荷が好調だったことに加え、相対的に値頃感の強まったiPhone 8も極めて好調な出荷を記録した。iPhone 8の第4四半期の国内出荷台数はiPhone Xを上回った。
他方、Android陣営では、Xperia XZ1が好調な出荷を記録したソニーが155.3万台(前年同期比17.9%増)の出荷となり第2位、AQUOS Senseを中心に豊富なラインナップを揃えたシャープが第3位で113.4万台(前年同期比39.2%増)と続いた。スマートフォンの出荷台数は1,101万台(前年同期比17.3%増)となった。2017年は第1四半期から従来型携帯電話の出荷の急激な減少が続き、第4四半期では市場のほとんどがスマートフォンになった。
2017年通年の携帯電話出荷台数は3,409万台、前年比4.6%増
また、通年では、2017年は前年比4.6%増の3,409万台の出荷となり、2016年に続いて2017年も前年比でプラスとなった。ベンダー別シェアでは、アップルが1,589万台(シェア46.6%)でトップ、2位は456.6万台(同13.4%)のソニー、3位は334.6万台(同9.8%)のシャープ、4位は303.1万台(同8.9%)の京セラ、そして5位は271.4万台(同8.0%)の富士通となった。
アップルの出荷台数は前年比0.7%減ながらもほぼ同水準を維持しており、日本国内での圧倒的な存在感が目立つ。スマートフォンの2017年通年の出荷台数は3,343万台となった。出荷された携帯電話の98%以上がスマートフォンであり、通年で見ても市場はスマートフォンに移行したと言える。
「アップルの新製品の主な出荷時期でもある第4四半期はここ数年出荷台数が突出する傾向が続いているが、2017年第4四半期もそれが顕著であった」とIDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの菅原啓氏はコメントしている。
また、「この背景にはかねてより話題となっていたiPhone Xに加えてiPhone 8の出荷が好調だったことが影響している」とした上で、「他方、Android陣営ではSamsungやHuawei、ZTEなど外資系ベンダーの存在感が高まることで活発化の様相を見せており、2017年第4四半期に世界第4位であったOPPOが今春より日本市場に参入する事も含め、動向が注目される」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker」にその詳細が報告されている。IDC Trackerは、IDC独自の調査手法に基づきICT製品・サービスの市場規模・ベンダーシェアの実績や市場予測を定期的に提供するデータベース製品になる。