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ファシリテーションで会議を変える

「結局何も決まらないまま終わった…」~会議の目的に応じてアプローチを変えよう

第2回

 何も決まらない会議に付き合わされることはよくありますが、どうしたらいいのでしょうか? 会議には4つのタイプがあり、それぞれアプローチが違うことを認識してそれに対する準備をすることが必要です。今回は、「意思決定」と「問題解決」の2つのタイプを解説します。

前回のおさらい

 前回、「せっかく会議を開いたのに結局何も決まらずに終わってしまった」というシチュエーションで多くみられる5つの準備不足について触れました。

  1. 会議の目的が不明確
  2. 参加者を厳選していない
  3. 会議の開催時間が良くない
  4. 会議会場が良くない
  5. 資料が適切ではない

 「なるほど、その通りだ」と思える人もいれば、「そんなことにも気を配らなければいけないの?」と疑問に感じる人もいると思います。そこで今回は、これら準備不足の中身を掘り下げて考えてみましょう。

会議は目的によって4つに分けられる!

 最初にハッキリさせておきたいのは、会議にも種類がある、ということです。OSが複数の種類に大別できるように、会議も複数に大別して考えることができます。

 例えば、OSをUNIX/Windows/Linuxと3種類に分けるとき、あなたは何を基準にしてこれらがカテゴライズされたと考えるでしょうか。私なら、システムを必要とするビジネスが求める「サービスレベル」で区分します。

 ベタな考え方で恐縮ですが、AシステムはミッションクリティカルだからUNIX、Bシステムは情報系のシステムだからWindows、Cシステムは安価で柔軟なサービスを提供したいからLinuxという判断でOSを選ぶことはよくあることだと思いますが、この考え方のポイントは、システムが使われる目的を意識してOSを使い分けているわけです。

 実は会議も同じで、そこで話される議題、言い換えれば会議の目的によって会議の型が変わってくるのです。単刀直入に言うと、会議は次の4種類に集約されてしまいます。

  1. 意思決定タイプ
  2. 問題解決タイプ
  3. 情報共有タイプ
  4. 教育啓蒙タイプ

 ちょっと唐突過ぎますか?

 いえいえ、もちろん適当なカテゴライズでこの4タイプに絞っている訳ではありません。この4種類に集約するのに用いた考え方は、「情報の流れ」と「情報の影響」という2つの軸です。いかにもコンサルタントが好きそうなアプローチですけど、私もコンサルタントの端くれなのでお気になさらず。

「情報の流れ」と「情報の影響」に注目する

 もう少し詳しく説明します。

 会議には2つの大きな特性があると私は考えています。一つは、「誰から誰に情報が伝わっているのか」という点です。これは、多人数と一人の間で情報のやりとりがされている形(1対N)なのか、それとも多人数からそれぞれ情報が発信されてそれを多人数が受ける形(N対N)なのか、という切り口で考えます。

 もう一つは、「その情報は場に対してどのような影響を与えるか」という点です。これは、会議に出てきた情報を基にして新しい結論や方向性(判断)が導き出されたか、それとも参加者間で情報を共有すること(情報提供)が行われたのか、という切り口になります。

 この2軸を組み合わせた4象限ごとに会議の型を考えると、次のようなカテゴライズになるのです。

会議の種類
会議の種類

 会議の目的が明確になっていると、会議全体が複数のタイプの要素を抱えているとしても、議題単位でみていけば、必ずこの4タイプのいずれかにあてはまります。各タイプごとに攻略法が違いますから、最初に目的を取り違えてしまうと、その会議はもう失敗への途をただ辿ってしまうでしょう。そんな会議はやるだけ無駄です。やめましょう。目的がはっきりしない会議は、目的がはっきりするまで皆で集まるべきではないのです。

 皆さんが会議の目的をはっきりと認識でき、それらの対処法についてご理解頂けるよう、ここでは各タイプをじっくり分析してみましょう。

次のページ
意思決定タイプの会議の例

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この記事の著者

吉澤 準特(ヨシザワ ジュントク)

外資系コンサルティングファーム勤務。ビジネスからシステムまで幅広くコンサルティングを行う。専門分野はシステム運用改善をはじめとするインフラ領域だが、クライアントとの折衝経験も多く、ファシリテーションやコーチングにも造詣が深い。まぐまぐにてメールマガジン「IT業界の裏話」を発行中。著書に「最新会議運営...

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