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クラウド登場から10余年、日本企業のクラウド導入状況はどうなってる?

2018/03/12 06:00

 クラウドコンピューティング(以下、クラウド)という言葉が世の中に出始めてから10年あまり経過しました。クラウドの技術は年々進化し、活用する企業も増え、これからもさらなる拡大が見込まれています。ここにきて第2の隆盛期を迎えたといっても良いと思います。今回は当連載『マルチクラウド時代のリスクマネジメント入門』の導入として、各企業がクラウドをどのように活用しているか(活用しようとしているか)を紹介したうえで、各企業が直面している課題及びその解決に向けた方向性を示します。

国内企業におけるクラウド導入の動向

1.全体的なクラウド導入の状況

 各企業においてクラウドの導入が推進されていることは、各種調査の結果からも明らかになっています。

 KPMGが世界86か国、総勢4498名のITリーダーを対象とした調査結果「HARVEY NASH/KPMG 2017年度CIO調査」によると、今後1~3年以内でクラウドに投資を行う計画を立てている企業は8割以上に上ります(図1)。

図1:クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS)への投資計画(今後1~3年間の計画)
※投資額の大小判定については、各企業の定性的主観による回答
出典:HARVEY NASH / KPMG 2016年度CIO調査

 国内での調査結果にも目を向けていきましょう。総務省が毎年発行している情報通信白書の「企業におけるクラウドサービスの利用動向(平成29年版)」によると、一部でもクラウドサービスを利用していると回答した企業の割合は46.9%に上るとのことです。これは2016年時点の調査結果ですので、現在は、より拡大が進んでいることが予想されます。

2.企業種別を踏まえたクラウド導入の状況

 どのような企業がクラウドを積極的に導入しているのかについて解説します。

 まず、システムの構築に十分な時間とコストをかけることが出来ないような企業、例えば、スタートアップの企業などが挙げられます。短期間・低コスト(従量課金による合理的なコスト)でシステム(基盤含む)を導入できるクラウドとの親和性は高いといえます。

 また、システムそのものが他社との差別化要因にならないような企業も導入が進んでいます。コンテンツの中身で勝負するマルチメディア業界などが一例です。

 一方、社会インフラを担う企業や既に大規模なシステム化が進んでいる企業については、クラウドの本格導入はこれからという段階です。社会インフラを担う企業のシステムには高い可用性が求められるものも多く含まれ、クラウドがそれに耐えられるかという懸念が発生していました。

 大規模なシステム化が進んでいる企業については、オンプレミスからクラウドに移行するという大きな課題に直面することになり、企業インフラのあり方、ひいては企業戦略そのものについて考慮する必要がありました。ただそれでも現在は、ほぼ全ての企業が規模の差こそあれクラウドの導入を実施ないし検討しています。特に金融機関については、多くの企業でクラウドの導入がオンゴーイングで推進されている状況です。

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著者プロフィール

  • 宮脇 篤史(ミヤワキ アツシ)

    KPMGコンサルティング株式会社 ディレクター 国内システムインテグレーターにて業務用システムの企画・開発・運用および一連の管理業務に従事した後、2006年にKPMGビジネスアシュアランス(現KPMGコンサルティング)に入社。同社にてシステムリスク管理態勢の構築支援やシステム導入プロジェクト管理、...

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