生体認証の本質は何にあるのか
それは2要素認証だ、というと拍子抜けされるだろうか。しかし考えてほしい。生体認証が確立するまでの2要素認証は、たとえば銀行カードや携帯電話などの「自分が持っているもの」(Something We Have)と、PINやパスワードのような「自分が覚えていること」(Something We Know)の組み合わせを意味していた。
本質的なことは、生体認証によって、後者の「自分が覚えていること」が、「自分そのもの」(Something We Are)に置き換わったことなのだ。自分を、コピーしたり、置き忘れたり、紛失したり、盗まれたりすることはない。
不適切に単純化され、不注意に保管され、長い間サイバーセキュリティという鎖の脆弱な輪であり続けたパスワードに基づく認証は、過去のものとなる。生体認証は、21世紀の消費者に、利便性と安全性というトレードオフを同時に満たすソリューションを提供する。