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「サービスをすることが好き」セキュリティで顧客課題を解決――サイバーセキュリティクラウド 渡辺洋司さん

 クラウド型WAF「攻撃遮断くん」や、AIによる「AWS WAF」のルール自動運用サービス「Waf Charm」、そしてAWS Marketplaceで販売されるAWS WAFマネージドルール「Cyber Security Cloud Managed Rules for AWS WAF -HighSecurity OWASP Set-」と、サイバーセキュリティクラウドが提供するサービス全てに携わっている、同社CTOの渡辺洋司さん。自分に合うことを続けてきたらセキュリティに行き着いたという。システム障害には「謎の嗅覚」を発揮するという渡辺さんに、過去と現在、そして未来についてうかがった。

プログラムしたものが思い通りに動くのは楽しい

渡辺洋司さん 株式会社サイバーセキュリティクラウド Webセキュリティ事業部 取締役 CTO
1975年生まれ。明治大学理工学部情報科学科を卒業。大手IT企業の研究開発のコンサルティングを手掛ける企業において、クラウドシステム、リアルタイム分散処理・異常検知の研究開発に携わる。2016年 株式会社サイバーセキュリティクラウド CTOに就任。2017年 同社取締役CTOに就任

2010年8月に設立したサイバーセキュリティクラウドは、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」を理念に掲げ、WAF(Webアプリケーション・ファイアウォール)を中心にセキュリティソリューションを開発、提供している。18歳で起業した大野暉さんが代表取締役を務めていることでも話題となっている会社だ。渡辺洋司さんは2016年CTOに就任した。40代半ばになるのに、若々しく爽やかな印象を与える。

 サイバーセキュリティクラウドのクラウド型WAF「攻撃遮断くん」のサービス向上のために、CTOとして技術チームを取りまとめることになった。AIによる「AWS WAF」のルール(シグネチャ)自動運用サービス「Waf Charm」の開発にも携わり、エンジニアと一緒にお客様先にうかがうことも多かったという。もちろん、2019年2月にサービスを開始した、AWS Marketplaceで販売されるAWS WAFマネージドルール「Cyber Security Cloud Managed Rules for AWS WAF -HighSecurity OWASP Set-」の開発にも携わっている。

 最近は時間に少し余裕ができたので、エンジニアを連れてイベントやカンファレスに出かけてコミュニケーションを取ったり、他社のCTOなど同じ立場の人に相談したりしているという。「年齢は行っていますが、CTO歴はまだまだ浅いので、“平CTO”として企業やセキュリティにおける課題やその乗り越え方などを聞きに行っています」と渡辺さんは笑います。

 前職はソフトウェアを受託開発する会社で、14年務めていました。新しい技術の研究開発も行う会社なので技術者が多く、フラットな組織だったといいます。転職でサイバーセキュリティクラウドを選んだ理由について、渡辺さんは「開発の組織作りができること」、そして「自分のバックグラウンドを有効に活かせると思ったこと」の2つを挙げた。

 渡辺さんのバックグラウンドとは何か。それは、高校時代にさかのぼる。高校では理系の情報科学科というクラスにいて、ちょうど1990年代半ばのWindowsフィーバーの時期でもあり、今後はIT系が世の中で重要になると感じ、「これは行っておくしかない」というノリでITの世界へ進むことを決めた。そして明治大学理工学部情報科学科に進学し、ソフトウェアやシステムについて学んだ。その中でも、自分でコンパイラを作る授業と、自分で計算機を作る授業の2つが、強く印象に残っている。

 大学ではまた、ロボット科学研究室で自動運転における2台のカメラでの距離計測をメインで取り組んでいた。なぜソフトウェア開発を仕事にしようとしたとのかを聞くと、「やはり、作ったものが思った通りに動くことの楽しさですね」という。新卒で入社したのは交換機の会社で、交換機は止められないので動作中にアセンブラでプログラムを書き換えたりした。「スマホアプリよりも、アーキテクチャ設計など裏の仕組みが好きで、設計を実装に落とし込んだものがシステムとして動くのが楽しい」(渡辺さん)という。

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人を束ねるのが好きだが、「揚げ足取り」と呼ばれた子供時代

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この記事の著者

吉澤 亨史(ヨシザワ コウジ)

元自動車整備士。整備工場やガソリンスタンド所長などを経て、1996年にフリーランスライターとして独立。以後、雑誌やWebを中心に執筆活動を行う。パソコン、周辺機器、ソフトウェア、携帯電話、セキュリティ、エンタープライズ系など幅広い分野に対応。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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