皆さん、日本国内には何人くらいのITエンジニアがいると思いますか?少し興味があったので調べてみました。
IPAで毎年IT人材白書というものを発行していることを知りました。しかもかなりのボリュームです。その2018年版にIT人材数推計結果というものがありまして、あくまでも推計ということですが、なんと国内には91万2千人ものIT人材がおり、その中でも受託開発ソフトウェア業に従事するIT人材は62万6千人もいることがわかりました。この62万6千人の受託開発だけで、一人あたり1千万の売上があると約6兆円の市場です。
いかにIT開発が身近で需要のある産業であるかわかります。しかも人材がいない!と巷では騒がれているのですから驚きです。
話は戻り、前回も少し触れましたが私が在籍しているGDOは90%以上、ソフトウェア開発をアウトソースしています。私がIT部門の責任者だった時代、なぜアウトソース戦略をとってきたのか?や実際どうだったのか?振り返りを交えアウトソース開発のメリットとデメリットを分析していきましょう。
なぜアウトソース開発を選択したのか?
「選択肢が他にはなかった」これが正直な理由です。2008年にIT部門の責任者になり周りを見渡すと障害対応の毎日でした。当時は数名の社内のエンジニアと数名の外部のエンジニアが社内に常駐し目の前の障害と日々対峙していました。そんな中、IT部門の責任者になったものですから、早くこの危機的状況を脱出して事業部門のやりたいことに貢献し、一日でも早く事業成長局面に持っていきたかった、という思いが強くありました。会社からもそれを期待されていたと思います。そんな中、2008年にセキュリティ事故を起こし10日間もサイトが止まる障害が発生しました(当時の出来事は検索エンジンで“GDO セキュリティ“と検索してもらえれば記事が残っているはずです)。この危機的状況は、まさに事業継続に関わる重大インシデントであり、大規模な開発プロジェクトを早急に立ち上げ事態を収束させる必要がありました。そこで、アウトソース最大の魅力でもある大規模プロジェクトの発注に踏み切りました。過去GDOでは経験したことのないレベルの大きな開発プロジェクトでしたから、内製開発で!というわけにはいきません。本当に選択肢のない状況でした。そこから本来のあるべき姿になるまでに多額のお金を使い、期間も約4年かかりました。そんな大規模な開発プロジェクトでしたから開発が完了し保守のフェーズになっても初期開発を担当頂いた開発ベンダさんに保守業務を委託し、今のGDOがあります。