2019年第1四半期の外付型支出額は562億8,800万円で前年同期比8.2%増
2019年第1四半期の外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳を見ると、メインフレーム向けが53億4,400万円で前年同期比6.1%減、オープンシステム向けが509億4,400万円で同9.9%増となった。
メインフレーム向けは2015年の大型更新のピーク以降、支出が低迷している。オープンシステム向けは、ハイエンドとミッドレンジが2桁のプラス成長となったことが貢献した。引き続き、国内のサービスプロバイダーにおける外付型エンタープライズストレージシステムの需要が市場を牽引している。
2019年第1四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステムでは、引き続き搭載メディアのHDDからフラッシュへの移行が進んだ。国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額のうち、オールフラッシュアレイ(AFA)は142億7,400万円で前年同期比75.2%増、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は236億4,100万円で同16.7%増となったが、オールHDDアレイは183億7,300万円で同22.3%減となった。
この結果、2019年第1四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額に占めるAFAの比率は25.4%(前年同期15.7%)に上昇した。中央官庁の年度末を含む第1四半期にAFAの比率が大幅に上昇した背景には、一般のユーザー企業のシステム更改においても、AFAが用いられるようになってきたことが背景にあると考えられる。
AFAの普及に注力してきた外資系ベンダーのシェアが相対的に拡大
2019年第1四半期における国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)は533億9,800万円で、ベンダー別売上額の上位5社は富士通(シェア18.1%)、日立製作所(16.9%)、デルテクノロジーズ(15.4%)、ネットアップ(10.7%)、NEC(8.9%)だった。第1四半期の売上額において、国産大手3社の合算値シェアが50%を下回ったのは、この十年来で初めてのこと。
IDC Japan のエンタープライズインフラストラクチャ シニアマーケットアナリストである加藤慎也氏は、「2019年第1四半期は、AFAの構成比率が前年同期に比べて大幅に上昇、AFAの普及に注力してきた外資系ベンダーのシェアが相対的に拡大した。国内のサービスプロバイダーが調達し、オフプレミスのインフラとして一般のユーザー企業の利用に供されたものも少なくないとみている。ストレージベンダーは、市場がテクノロジーに加えて提供方法の多様化によって大きく変化し、今後のシェアにも影響を与えうることを十分に理解すべきである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行した「国内エンタープライズストレージシステム市場 2019年第1四半期の分析」にその詳細が報告されている。