働き方改革に不可欠なテレワークの導入未だ進まず…課題は?
今回同社が行った調査は、在宅勤務や外出先での業務に有用なスマートデバイス(スマートフォンとタブレット)の利用実態に関するアンケート「ビジネスにおけるモバイルの利用動向」。アンケートは3年連続で実施。今回は、仕事でノートPCを除くスマートデバイス(スマートフォンとタブレット)を使用している国内のビジネスパーソン約500人を対象に、2019年6月25日〜6月27日にインターネット上で調査した。
調査の結果、「業務で最も頻繁に使用しているスマートデバイスは」との問いに対して、「会社支給の端末」が43.7%(昨年:41.2%、一昨年40.8%)、「個人契約の端末(BYOD)」が56.1%(昨年:58.8%、一昨年58.8%)と、BYODが過半を占め会社単位でのスマートデバイスの利活用が依然として進んでいないことが分かった。一方、スマートデバイスで利用するアプリケーションやコンテンツ、メール、ブラウザ等を管理し、業務生産性やセキュリティ強度を向上させるモバイルソリューションの導入率は「モバイルソリューションが入っている」が32.1%(昨年28.2%、一昨年:28.4%)と微増した。
また、スマートデバイスの業務上の用途についての設問では、回答者全体の83.6%が「通話」と回答するなど、電話として使用している割合が高いことも゙明らかとなった。その他の回答として、「メッセージングアプリ(SMSやLINEなど)」(53.6%で第2位)、「スケジュール管理」(48.7%で第3位)が続いた。一方で、「OfficeなどPCでも使用するアプリケーション」をスマートデバイスで利用していると回答したのは24.9%と少数にとどまり、さらに「会社から支給されているモバイル用業務アプリケーション」と答えた回答者は13.1%とさらに少ない割合であった。また、会社支給のPCの社外持ち出しの可否の問いでは、「はい」の回答が44.1.%(昨年:43.1%、一昨年:39.5%)と、ほぼ横ばいの結果となり、依然としてPCの社外持ち出しも進んでいないことが分かった。
次に、テレワークが認められているとの回答率は約1/4であることが明らかになった。勤務時間内に自宅など社外で勤務する「テレワークが認められていますか」との問いでは、「はい」は24.3%(昨年:21.8%)と微増にとどまった。政府が進める「働き方改革」の9つのテーマの内、勤務先で行われている取り組みについては、「長時間労働の是正」が61.5%(昨年:55.5%)となり、2年連続して上位にあるにもかかわらず、その是正手段として「テレワーク」の推進があまり進んでいない。また、2019年4月より順次施行された「働き方改革法」が長時間労働等の是正に有効かとの問いについては、有効(非常に有効と有効の計)は36.8%に過ぎず、「働き方改革法」はまだ、長時間労働等の是正に有効な対策として明確に認識されていないようだ。