ユーザー企業のIT部門のみなさん!「プロジェクトが成功するかどうかはベンダー次第」なんて考えていないでしょうか。業務の基盤となるシステムは、ベンダーへ開発を丸投げするものではなく、協力して作るものです。そのためには、発注側としてもプロジェクトマネジメントの知識やノウハウを身につけることが大切です。本連載では、プロジェクトマネージャが持つべき知識やスキルをご紹介していきます。第1回は、プロジェクトマネージャの仕事を解説します。
プロジェクトの成功に必要なものとは?
「プロジェクトは失敗する確率の方が高い」という事実があるのをご存じでしょうか。ある調査結果によれば、納期遅延やコストオーバー、十分に効果が発揮できないなど、失敗と見なされるプロジェクトは全体の約70%にも及ぶそうです。
プロジェクトには、未成熟な技術や要員のスキル不足、無理なスケジュールなど、常にリスクがつきまといます。そんな状況下でも、プロジェクトマネージャは、リスクに適切に対処しプロジェクトを成功させる必要があります。
優秀なプロジェクトマネージャは不足している
しかし、マネジメントスキルが低くかったり、リーダーシップがとれないなど、プロジェクトマネージャ自身が一つの原因となって失敗につながるケースも少なくありません。実際、IT業界では、プロジェクトメンバが50名以上となる規模の大きいプロジェクトを担当できるプロジェクトマネージャは、不足しているのが実情です。
マネジメント=「管理」ではない
いわゆる「マネジメント」は、直訳すれば「管理」を指します。しかし、こと「プロジェクトマネジメント」におけるマネジメントは、「管理」だけを意味しません。むしろ、プロジェクト内の調整や仕事のコーディネーションといった方が適切でしょう。すなわち、プロジェクトをとりまく、ユーザーやベンダー、エンジニアなど、さまざまなステークホルダーの間をとりもって、プロジェクトの成功に向けて舵取りをしていく存在です。

この記事は参考になりましたか?
- 情報シス担当者のためのプロジェクトマネージャ入門連載記事一覧
- この記事の著者
-
克元 亮(カツモト リョウ)
IT業界で約20年にわたり、システム開発やITソリューションの適用支援、アーキテクチャデザインなどに携わる。現在は、プロジェクトマネジメント、マーケティングに従事。著書には、『「しきる」技術 誰にでもできる超実践リーダーシップ』『この1冊ですべてわかる ITコンサルティングの基本』(日本実業出版社)...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア