プロジェクトマネージャに取ってほしい「情報処理技術者試験プロジェクトマネージャ」
情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャは、「情報システム又は組込みシステムのシステム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を作成し、必要となる要員や資源を確保し、計画した予算、期間、品質の達成について責任をもってプロジェクトを遂行する者」を対象にした国家試験です。
試験の歴史が古いこともあって知名度が高く、ある業界誌の調査によれば、技術職の社員に取らせたい資格として、PMPを抜いて1位になるほど企業における評価が高くなっています。前回紹介したPMPはPMBOKをベースに理論を押さえているかを問うのに対して、本試験は理論だけではなく小論文により経験を問う内容となっているのが特徴です。小論文のネタを準備することが、自分の経験の棚卸にもつながるため、プロジェクトマネージャに、ぜひ取得いただきたい資格です。
情報処理技術者プロジェクトマネージャ試験の概要
試験方式はペーパーで行われ、前提知識を問う午前Iと午前II、事例解析の午後I、論文を記述する午後IIの 4つの区分から構成されています。試験内容が盛りだくさんで、一日がかりで受験する必要があります。
各時間区分の得点が、すべて基準点以上の場合に合格となります。午前I、午前II、午後Iは、60%の正答率で合格ですが、午後IIは、設問で要求した項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、文章作成能力などの視点で評価され、合格水準にあれば合格となります。
- 午前I :多肢選択式 30問(50分)
- 午前II:多肢選択式 25問(40分)
- 午後I :記述式 4問中2問選択(90分)
- 午後II:論述式 3問中1問選択(120分)
昨年の合格率は12.7%で、IT関連資格の中でも難関試験の一つと言えます。合格後は、PMPのように資格維持のためのPM活動が要求されるわけではありませんが、難易度の高さがこの資格の評価につながっていると言えます。
試験では、午後Iの事例解析までは合格しても、午後IIの論述で不合格を続ける方が多いようです。午後IIに合格するためには、もちろんプロジェクトマネージャとしての経験や見識も必要ですが、あらかじめ経験を整理しておき、試験が始まったら短い時間で骨子を検討して書きあげるだけの文章力が要求されます。