独立系オープンソース企業としてあらゆるワークロードの実行を支援
SUSEは1992年に創業し、エンタープライズLinuxディストリビューションを展開してきました。Novell、Attachmate、Micro Focusのグループ企業としての時期を経て、2019年3月にスウェーデンの投資会社であるEQTの傘下へ移行し、独立したオープンソースソリューションのプロバイダーとして再スタートを切りました。2019年8月には新たなCEOとして、SAPのCOO(最高執行責任者)兼デジタルコアソリューションCRO(最高売上責任者)を務めていたMelissa Di Donato(メリッサ・ディドナート)が就任し、次のステージへと歩みを進めています。
主力製品であるエンタープライズLinuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise Server(以下、SLES)」は、x86サーバー、メインフレーム、ワークステーション、ハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)などに向けて開発されています。SUSEのミッションは、あらゆるワークロードを実行できる環境を提供し、ビジネスを成功に導くことにあります。特にミッションクリティカルな分野に注力しており、24時間365日停止が許されない多くの重要なシステム基盤に採用されています。
ソリューションのワークロードに最適化したバリエーションも豊富で、SAP向けにSAP HANA、SAP NetWeaver、SAP S/4HANAソリューションの管理機能やセキュリティ機能などを同梱した「SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications」はその1つです。これにより、SAPシステムにおいてパフォーマンスの最適化、ダウンタイムの短縮、迅速なデプロイメントなどを実現し、時間短縮や運用コスト削減に貢献します。
またSUSEは、ユーザーの要望に合わせて新技術への対応も積極的に進めてきました。近年、アプリケーションを小さな単位、かつ短いサイクルでデプロイしたいという開発者のニーズから、コンテナ技術に注目が集まっています。そこでSUSEではKubernetesをベースにしたエンタープライズ対応のコンテナ管理ソリューション「SUSE CaaS Platform」を提供しています。
近年、エンタープライズのIT環境でもアジャイル開発のニーズが急激に高まっています。そこでSUSE CaaS Platformは、コンテナのフォーマットとKubernetesを使ってインフラのオーケストレーションとマネジメントを実行する製品として開発しました。システムの短期導入を求める大企業からソフトウェアベンダーまで、多くの企業に採用されています。SAPのソリューションでも、複数のデータソースを統合的に管理するSAP Data Hubの開発に使用されました。SAPのソリューションでも、SAP Data Hubは最初SUSE CaaS Platformを使用して開発され、SUSEは引き続きSAP HANA環境のコンテナベースのソリューションなどでも引き続きSAPとの協力関係を続けています。
2019年4月には、Microsoft Azure上のSAP HANA Large Instanceに対応したエンタープライズLinuxイメージの提供を開始しました。Azure上で一貫した構築と管理機能を提供することにより、カスタマーエクスペリエンスの向上を実現するものです。これはSUSEが創業から25年以上にわたって築いてきたパートナーの関係をクラウドベンダーに拡大したもので、今後もさまざまなパブリッククラウドをサポートしていきます。