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コンテナ技術を使ってクラウド化したSAP HANAをマネージドサービスで日本市場でも展開する

 真のリアルタイム性を実現するもので、革新的なインメモリコンピューティングを具現化したソフトウェアの第一弾として、2010年12月に発表されたのがSAP HANAだった。SAP HANAは時間の経過と共に多くの更新を続けており、この10年で最も成長した製品だとSAPでは言う。

SAP HANAのリアルタイムな処理性能が企業における競争力の源泉となる

 SAPの本丸とも言えるERPアプリケーションのSAP S/4HANAも、最近好調なHCM(Human Capital Management) SaaSのSAP SuccessFactorsも、インフラを支えているのはSAP HANAだ。アプリケーションのインフラとしてではなく、独立したリレーショナルデータベースのエンジンとして利用する顧客も増えており、その数はグローバルで32000を超える。「ガートナーのデータ管理のマジッククワドラントでも、HANAはリーダーに位置づけられています」と自信を見せるのは、SAPジャパン バイスプレジデント プラットフォーム&テクノロジー事業本部長 チーフイノベーションオフィサーの首藤 聡一郎氏だ。

 国内でも、SAP HANAをデータベースとして利用する事例が増えている、ここ最近SAPジャパンが発表したものとしては、伊藤忠、アドバンテスト、イオングループがある。これらの企業では「時間という経営資源をいかに有効活用するかで、SAP HANAを利用しています」と首藤氏。

 ビジネスを進める中では、まず何が起きているかをいち早く掴む必要がある。そこから仮説を立て、対策を施す。対策が上手くいかなければ、もう一度データを取得し、原因を追求して新たな仮説を立て対策する。この一連のプロセスを「短時間に何回実施できるかが、企業の競争優位性につながります」と首藤氏は言い、極めて短時間で回せるようにするのがSAP HANAの役割と言うわけだ。

 SAPでは、ERPのアプリケーションなどを利用することで生まれる結果のデータ活用に長い間取り組んできた。このオペレーショナルなデータを「O(オー)データ」と呼ぶ。これとは別にあるのが、なぜ製品の売り上げが下がったのか、なぜ余剰在庫が増えたのかなどの「なぜ」を導き出すデータだ。このなぜの部分は、顧客のさまざまな行動などから分かる。顧客のさまざまな行動のデータは、エクスペリエンスデータであり「Xデータ」とSAPでは呼ぶ。

 OデータとXデータを用いて、なぜその結果となったかの原因を見つけ、次にとるべきアクションの最適な示唆を与える。2つのデータをつなぎ合わせることで迅速にビジネスに活かせるようにするのも、SAP HANAのもう1つの役割だ。

 これらの役割を担うSAP HANAを、顧客企業はクラウドで利用したいと考えている。その要望に応えるために、SAP HANA CloudとSAP Data Warehouse Cloudを日本市場で提供する。これら2つのサービスは、2020年第二四半期に、日本のデータセンターから提供を開始する。

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コンテナ技術を活用してSAP HANAをクラウドネイティブ化した

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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