脱「属人化」のロードマップ
前回は、特定の担当者に「属人化」した保守プロジェクトでは、さまざまな面で無駄が発生することを紹介しました。まず、保守に際して無駄なコストがかかります。また、工期の長期化、体制の硬直化、品質の劣化にもつながります。
「属人化」を脱することで、担当者以外の人でもシステムを保守できるようになります。その結果として保守プロジェクトの自由度が増え、さまざまな無駄をプロジェクトから追いやることができるのです。今回は、脱「属人化」を行うためのロードマップを示します。
脱「属人化」に即効薬はありません。「何か」をすれば、その日から「他の人でも保守できる」といった風にはいかないものです。しかし、これは「できることが何もない」という意味ではありません。しなければいけないことはいろいろあります。
とは言っても、保守の脱「属人化」は売上に直結する活動ではないため、一度に十分な工数をかけて行うことを、組織の決裁者は認めないものです。脱「属人化」はコツコツと進めること、そして少しずつ効果を上げていくことが、成功の近道と割り切ることが大事です。
属人化を脱した「他の人でも保守できる」と呼べる段階には、「元担当者のフォロー付きで保守できる」段階と、「独力で保守できる」段階の2段階があります。この2つの段階を目標に据えて、次のような活動を行うことが必要になります。