記者会見にはNTTの代表取締役社長 社長執行役員 澤田 純氏、NECの代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの新野 隆氏が登壇。会見の模様はオンラインで配信された。
NTT澤田社長は、「従来の通信事業者主導の垂直統合モデルではイノベーションが進みにくいため、O-RAN(Open Radio Access Network Alliance)などのオープンアーキテクチャを進める。NTTの掲げる次世代ネットワーク構想『IOWN』を進める上でも、NECとの共同の研究開発が重要だ」という。IOWNはエレクトロニクスからフォトニクスへの転換を目指すものであるが、今回の提携で、IOWNのオールフォトニクスの分野を中心に、NECと研究開発をおこなうという。
またNEC新野社長は、「今回の提携はオペレーターとメーカーの垣根を超えた対等なもの」と語り、今後の両社が取り組む以下の研究開発分野を示した。
- O-RAN準拠の国際競争力のある基地局の共同開発
- 低消費電力化を兼ね備えた小型光集積回路(DSP)
- IOWN構想のための光/無線デバイスの共同開発
- 海底ケーブルシステムの大容量化、高機能、低コスト化
- 宇宙通信の大容量、低遅延、自動/自律化
- インフラ・ネットワークのセキュリティの技術
こうした活動を通じてオープン化を促進し、「日本発の革新的な製品を世界に発し、新メイドインジャパンを実現する」とNTT澤田社長は宣言した。また、今回NTTがNECの第三者割当増資の引受の最大の目的は、「共同研究開発のため」と説明した。