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週刊DBオンライン 谷川耕一

三澤新社長のもと日本オラクルは顧客から信頼されるテクノロジーアドバイザーになれるか


 日本オラクル 執行役 社長に就任した三澤智光氏が会見を開いた。筆者はオラクルの社員だった頃、三澤氏の部下だったこともある。新社長としてのお披露目の場で、どのような発言が飛び出すのか期待し会見に臨むこととなった。

三澤さん、オラクル社長出戻り就任の衝撃

 筆者が1996年に製品マーケティング担当者として日本オラクルに中途入社した際、三澤さんは既にパートナー営業部隊でまとめ役として活躍していた。その後組織変更などもあり、一時期は三澤さんの部下だったこともある。日本オラクルで順調に出世した三澤さんは、2014年12月に副社長 執行役員 データベース事業統括となり、主力のデータベース製品の事業責任者となる。さらに1年後には、副社長 クラウド・テクノロジー事業統括として、Oracleが力を入れ始めたクラウド事業を任されることとなる。

 一方筆者は2005年に日本オラクルを退職し、以降、製品やサービスを語る三澤さんを記者として取材する立場に変わる。三澤さんは2016年に日本オラクルを辞め日本IBMに転職、取締役 専務執行役員 IBM クラウド事業本部長として、IBMでも日本におけるクラウドビジネスを牽引することとなる。日本IBM時代にも何度かIBMのクラウド戦略などについて、三澤さんに直接取材する機会があった。

 そんな三澤さんが日本オラクルに出戻り社長に就任すると耳にしたのは、日本オラクルから正式なリリースが出る1週間ほど前だった。半年ほど前に三澤さんが日本IBMを辞めることがわかり、会食の場を一緒にしてもらった際、次の行き先として「まさかAWSはないですよね。(元米国Oracleの製品開発担当プレジデントの)トーマス・クリアンCEOもいるのだからGoogle Cloudが良いのでは」なんて会話をしたことを憶えている。しかしながらその時は、まさか日本オラクルに戻る選択肢があるとは考えなかった。

顧客から信頼されるテクノロジーアドバイザーになる

 2020年12月14日、同月1日に新たに日本オラクル 執行役 社長に就任した三澤智光氏が、日本における事業、製品戦略を説明する会見を行った。これは新社長としてのお披露目の場。三澤さんはどちらかと言えば記者に対し「記事にしやすい発言」をしてくれることもあり、日本IBMでのクラウドビジネス経験を踏まえ、どのような発言が飛び出すのか期待し会見に臨むこととなる。

 三澤さんが最初に示したのは、日本独自のビジョンだった。外資系企業の場合、本社メッセージをそのまま翻訳し同じ内容のビジョンを掲げることが多い。日本オラクルは日本で上場していることもあってか、歴代社長が米国本社のメッセージを踏襲しつつも、独自メッセージやビジョンを掲げることがあった。

 今回三澤さんは、「Be TRUSTED TECHNOLOGY ADVISOR」というビジョンを掲げた。これは、お客様とデータドリブンなデジタル・トランスフォーメーションをともに実現する「TRUSTED TECHNOLOGY ADVISOR」になるということ。デジタル変革を一緒に進めるための顧客にとっての「信頼されるパートナー」を目指すこととなる。

 三澤さんは「社会に貢献しているシステムのところで働きたい」と考え、本当の意味の社会インフラに近いシステムに携わっている数少ないベンダーの1つがOracleだと判断し日本オラクルを再び選んだと言う。顧客から信頼されるパートナーになることで、社会に貢献するシステムに携わるようなビジネスに関わりたいとの思いの表れが、今回のビジョンになったのだろう。IT業界で仕事をする、特にその対象がエンタープライズITであれば、自分たちが携わるシステムが世の中の役に立っていることが、仕事のモチベーションを高める要素なのは間違いない。それが、日本オラクルであればできると、三澤さんは改めて判断したのだろう。

 ところで5年離れていた間に、日本オラクルがやっと実現したのが、国内クラウドデータセンターの設立だ。待望の国内データセンター、それも一気に東西2拠点の開設により、日本でも他のクラウドベンダーと同じ土俵で戦える環境が整った。これが、三澤さんが日本オラクルに戻る大きなきっかけになったのではと考えていた。

 今回の会見では、国内データセンターの開設には特に触れなかった。もちろん、国内クラウドデータセンターの第二世代Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の高い価値については言及、これは離れていた間に大きく進化したものだと言う。その上で最も大きく驚かされたのが、フルスタックSaaSの進化だと言う。先の米国本社の決算も「SaaSは絶好調です」と三澤さん、「SaaSプロバイダーとしてOracleが最大規模であることは、間違いない」と。大企業が真に使えるフルスイート製品を提供できるのは、Oracleだけだと自信を見せる。

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フルスタックのSaaSがあることがOracle Cloudの大きな強み

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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