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デジタル変革に注力できる マイクロソフトが語るAzure Expert MSPパートナーの魅力 2つの新しい認定制度、その優位性を探る【前編】

  2021/01/28 10:00

 ITシステムの導入や更新の際に、運用基盤としてクラウドを第一の選択肢とするクラウドファースト。この考え方が、多くの企業や組織で定着している。また一方で企業は、継続的な成長を目指すためデジタル変革にも急ぎ取り組まなければならない。このために必要な俊敏性を得るためにも、クラウドは今、欠かせない存在となっている。一方で、自社だけで安全なクラウド移行を実現することは簡単ではない。そこで、重要になってくるのがパートナーの存在だ。独自のパートナー戦略や新しい認定制度を打ち出しているマイクロソフトに、その意義や優位性を2回にわたり訊いた。

より高度なマネージドサービスパートナーの能力を証明

日本マイクロソフト パートナー事業本部 パートナーマーケティング統括本部 マーケティング戦略本部 本部長 猪瀬森主氏
日本マイクロソフト パートナー事業本部 パートナーマーケティング統括本部
マーケティング戦略本部 本部長 猪瀬森主氏

 自社のシステムをクラウドへ移行する際に、その成功の鍵をにぎっているのがクラウドに精通した人材だ。クラウドの柔軟性、俊敏性のメリットを十分に発揮するには、自社内にクラウド活用の人材を育成し確保すべきだろう。しかしながら、優秀なクラウド人材はどの組織でも不足気味。そのためクラウド上での新規システムの導入や構築、運用のノウハウを有するパートナー企業の支援を、適切に得ることがデジタル変革を進める企業にとって重要となっている。

 たとえば、Microsoft Azureを活用してデジタル変革に取り組む企業に対し、マイクロソフトはクラウドベンダーとして様々なサポートを実施している。その中では企業がパートナーの力を借りてクラウドのメリットを享受できるようするため、クラウドパートナーに対しても多様な支援を提供する。

 企業はクラウドを活用する際に、自分たちの目的に最適なサポートをしてくれるパートナーを、確実に見つけたいと考えるだろう。そのためにマイクロソフトでは、パートナーのノウハウやスキル、専門性などの特長を明確にする「Microsoftコンピテンシー」制度を設けている

 これはパートナー企業が1つまたは複数の専門ビジネス分野において、質の高いソリューションを提供できる実績と専門知識があることを証明するものだ。このMicrosoftコンピテンシーは、顧客企業をサポートする能力が高いMicrosoftパートナーだけに付与される。

 必須条件を満たすことで一貫した能力と業務への取り組み姿勢を証明する「Silver コンピテンシー」、Microsoftソリューションの各分野でクラス最高の能力を備えていることを証明する「Gold コンピテンシー」の2つを、マイクロソフトではパートナー企業に付与してきた。加えてさらに高度なパートナーの能力、専門性を証明するものの1つとして「Azure Expert MSP(マネージド サービス プロバイダー)」の認定も行っている。

Azure Expert MSPは、パートナーが高度な専門性を有していることを証明する
Azure Expert MSPは、パートナーが高度な専門性を有していることを証明する
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 Azure Expert MSPは、Microsoft Azureのマネージドサービスを提供するパートナーに対し、その高い能力を証明するものだ。「顧客企業は自社のクラウド環境をAzure Expert MSPの認定を受けているパートナーに、安心して預けることができます。そして自分たちは、デジタル変革に注力できるようになります」と言うのは、日本マイクロソフト パートナー事業本部 パートナーマーケティング統括本部 マーケティング戦略本部 本部長の猪瀬森主氏だ。Azureにシステムを導入した後の運用を、いかに安心してパートナーに任せられるか。「そのお墨付きが、企業から求められています」と言う。

クラウド運用におけるサポート能力の高さを重視

日本マイクロソフト パートナー事業本部パートナー技術統括本部 第一技術戦略本部 本部長 森 圭司氏
日本マイクロソフト パートナー事業本部パートナー技術統括本部
第一技術戦略本部 本部長 森 圭司氏

 Azure Expert MSPは大規模なユーザーに対し、Azure上で動くシステム全体の運用管理を任せることができるパートナーを認定するものだ。そのためAzure Expert MSPを受けるパートナーは、クラウドマネージドサービスの能力をかなり厳正に評価される。

 認定に必須な要件を満たすことはもちろん、第三者による監査を受け合格する必要がある。クラウド上のシステムの設計、導入のシステムインテグレーション能力はもちろん、長期に亘り運用するところまでが対象となっているため、監査項目は多岐にわたる。

 「日本の多くの企業は、これまでもSI企業などのサポートを受けITシステムの開発、運用をしてきました。クラウドになったからとはいえ、すぐに内製化に移行するのは難しいものがあります。そのため大規模なシステムの構築、運用を、クラウド上でもトータルでカバーして欲しいとのニーズがたくさんあります」と言うのは、日本マイクロソフト パートナー事業本部パートナー技術統括本部 第一技術戦略本部 本部長の森 圭司氏だ。

 このようなニーズを持つ企業では、マネージドサービスでITシステムの運用までパートナーにカバーしてもらうことで、自分たちはインフラ管理に手間をかけずデジタル変革に集中したいと考えている。その要望に応えられるよう、クラウド上でシステムを構築した後の「運用部分のサポート能力」を重視し認定しているのが、Azure Expert MSPというわけだ。

 ところでクラウドを導入する際には、戦略を定義し計画を立て、組織を準備し、クラウドを採用してデジタル資産を管理、統制する一連のプロセスが必要となる。マイクロソフトではこの計画、導入から運用に至るプロセスについて、実証済みのガイダンスを「Microsoft Cloud Adoption Framework(CAF) for Azure」としてまとめており、目標達成のために必要なベストプラクティスやドキュメント、ツールなどの形で提供している。

 Azure Expert MSPの認証では、このCAFに準拠した進め方ができるかが監査される。そのため、たんに導入や運用のサポートができるかだけでなく、顧客企業の体制の構築、たとえばクラウドCoE(Center of Excellence)チーム設立のサポート力なども求められるのだ。

 「監査では技術面でのサポートだけでなく、顧客のビジネスプロセスに関わる戦略まで見ています」と森氏は言う。

 他にも災害対策対応のサービスレベルの考え方なども、しっかり審査される。長期に亘り企業が安心して運用を任せるには、継続的なサービス提供ができるパートナー自身の企業体制も重要となり、そこも見られることになるのだ。

 また、クラウドインフラ部分は高い信頼性のもとパートナー企業が運用するが、クラウドインフラ上で動くアプリケーションはユーザー企業がしっかり管理することになる。その際に「インフラ上で動くアプリケーションとも、しっかり連携した形でインフラ運用ができるのが理想です」と森氏は指摘する。そういったサポート体制がとれることも、Azure Expert MSPでは求められることとなる。

運用はAzure Expert MSPパートナーに、自らはデジタル変革に注力する

 極めて厳しい監査に合格しなければ、Azure Expert MSPの認証を取得できない。この高いハードルを越えられたパートナーは、協働マーケティングや見込み案件の情報共有、本番導入プロジェクト前のPoCプロジェクトの支援など、認証を得たパートナーだけが得られる支援をマイクロソフトから受けることができるという。

認定取得が難しい分、パートナーも大きなメリットを享受できる
認定取得が難しい分、パートナーも大きなメリットを享受できる
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 クラウド化に取り組む企業の中には、既存システムをリフトして終了してしまうケースもある。既存システムのリフトだけならば、技術面の支援だけでも可能かもしれない。しかしながら本来のクラウドの柔軟性、迅速性といったメリットを得て企業のデジタル変革につなげるならば、クラウド化した後にPaaSを積極的に利用するなど、継続的にシステムを改善し続ける必要がある。

 これにはクラウド活用人材を顧客の中に育成し、その上で足りない部分をパートナーが補いながら協力体制で取り組む必要がある。

 「そこまで含めてサポートできる体制があることが、Azure Expert MSPには求められます」と猪瀬氏。Azure Expert MSPを取得しているパートナーであれば、改めて安心して自社クラウド環境の運用を任せられると強調し、その上でデジタル変革のためのサポートも大いに期待できる頼りになる存在だと言うのだった。

Azure Expert MSPを取得するには

Azure Expert MSPを取得することができるのは、さまざまな Azure の専門知識と共に、自動化、クラウドサービスの運用、最適化に関する知識と実績を第三者機関の監査で検証されたパートナー様です。要件の確認はこちらから

「Azure Expert MSP」認定パートナーの紹介

(アルファベット順)
企業様紹介文
 
アクセンチュア株式会社

会社概要・詳細はこちら

企業様紹介文
 
アバナード株式会社

会社概要・詳細はこちら

企業様紹介文
 
株式会社FIXER

「cloud.config」

なぜ、Azure Expert MSPを取得しようと思いましたか

 当社の基幹サービスであるクラウドのフルマネージドサービス「cloud.config」ブランドを確立し、クラウド市場における自社ポジションの確保と認知度向上のために取得しました。

取得にあたり、どのような専門性や実績を示す必要がありましたか。またはどのような体制整備が必要でしたか

 中長期的な事業戦略や成長戦略を示すとともに情報セキュリティガバナンスに基づいた「cloud.config」の運用体制とエビデンス情報を整備し、適正な運用が実行されていることが確認可能であることが求められました。

Azureにおける強みや実績などを教えてください

 「cloud.config」を基盤とし、AI/機械学習など最先端のテクノロジーを駆使したソリューションを金融・製造・公共・ゲーム・流通サービスなどの幅広い業界に提供し、クラウドの導入と運用を支援しています。2020年は、コロナ禍におけるデジタルマーケティングのプラットフォームとして仮想空間でイベントを開催する「cloud.config Virtual Event Service」を開発し、イベントの目的に合わせたオンラインソリューションを提供しています。

なぜ、Azure Expert MSPを取得しようと思いましたか

 当社は、業界をリードするグローバルクラウドインテグレータとして、複雑なマルチクラウドシステムの高品質な構築や運用などを通じ、お客様のデジタル革新を支援してきました。これらの取り組みおよびそれを下支えする技術力の証明として認定を取得しました。

取得にあたり、どのような専門性や実績を示す必要がありましたか。またはどのような体制整備が必要でしたか

 これまでのマイクロソフト社との協業を生かし、ハイブリッドクラウドおよびマルチクラウドサービスに取り組んできた成果および能力が評価されたもので、国内では初めての認定取得となりました。

Azureにおける強みや実績などを教えてください

 当社はマルチクラウド構築およびシステム統合のノウハウを生かしたハイブリッドクラウド環境の提供を通じてお客様のビジネスに貢献します。本認定では、Azureにおける基幹システムのインフラ、アプリケーション構築などの技術力に加えて、全世界における200以上のAzure導入事例を評価されております。

企業様紹介文
 
株式会社インターネットイニシアティブ

「IIJ GIO with Microsoft Azure」

なぜ、Azure Expert MSPを取得しようと思いましたか

 これからはAzure販売だけではない能力がマイクロソフトパートナーに求められます。顧客DXを推進する提案、クラウドライフサイクル全体をマネージするサービスなど、IIJの取り組みや方向性と合致するものだったからです。

取得にあたり、どのような専門性や実績を示す必要がありましたか。またはどのような体制整備が必要でしたか

 Azureの理解や技術スキルだけでなく、ビジネス戦略から会社の運用体制、セキュリティ、顧客満足度向上など非常に幅広い監査項目でした。実績をしっかり理解頂く為、エビデンスとともにプロセス説明やデモを交えて示しました。

Azureにおける強みや実績などを教えてください

 IIJは20年以上にわたるクラウド基盤でのシステム構築、運用で培った知見をもとに、Azureの安定したマネージドサービスを提供しています。Azureサブスクリプションを管理できる独自ポータル、200社を超える導入実績のAzure閉域ネットワーク接続、システム運用を自動化する統合運用管理など、ネットワークや運用領域もサービスとして備え、ワンストップでご提供できるところが強みです。

企業様紹介文

ソフトバンク株式会社
「MSPサービス」

なぜ、Azure Expert MSPを取得しようと思いましたか

 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するためにパブリッククラウドと関連するネットワークやセキュリティなどのソリューションの包括的な提供を推進していく中でその経験と実績を明示するために取得しました。

取得にあたり、どのような専門性や実績を示す必要がありましたか。またはどのような体制整備が必要でしたか

 Azureの導入実績や企業に最適な環境を提供するための技術、専門知識、フレームワークなど。お客様のDX支援を行うために自社の組織や意識を含めて大きく改革、コンサルティング、導入支援、マネージドまで一貫して提供できる体制づくりを行いました。

Azureにおける強みや実績などを教えてください

 Microsoft製品との親和性が高く、現状のシステムからのスムーズな移行を実現できること。また、グローバルでの展開拠点の数や豊富なサービスから様々なお客様のご要望に対応できます。オンプレミスのシステムからの移行からコロナ禍におけるテレワーク環境整備まで、多種多様な実績があります。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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