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専門性の高さを評価する「Azure Advanced Specialization」の価値とは何か 2つの新しい認定制度、その優位性を探る【後編】

  2021/01/29 10:00

 企業にとって、クラウド活用は今や当たり前となっている。新たなシステムをクラウド上で構築すれば、ハードウェア購入などがなく初期投資を抑えられ、インフラ調達時間も大幅に短縮できる。そのため市場変化などに合わせた、システムの迅速な展開や柔軟な拡張が可能となる。このようなクラウドのメリットが理解される中で、既存のオンプレミスにあるシステムのクラウド移行も進んでおり、クラウドネイティブなシステム構築を検討する企業も少なくない。そのような中、マイクロソフトは「Azure Advanced Specialization」という新たな認定制度を設けている。前回取り上げた「Azure Expert MSP」や他の認定制度とは何が違うのか、その狙いを訊いた。

第三者機関の評価により、顧客視点で提案できるパートナーを認定

 クラウドには多くのメリットがあると認識する企業も増え、オンプレミスにある既存システムの移行の需要は大きくなっており、クラウドネイティブなシステムの導入も進んできている。とはいえ、簡単にクラウドへ移行できるものもあれば、ミッションクリティカルなシステムや重要情報を扱うシステムなど、移行にかなり慎重とならざる得ないものもある。今後のデジタル変革の重要性を考えれば、多くのシステムをクラウド化し柔軟性や俊敏性のメリットをいち早く獲得したい。

 慎重に移行すべきシステムについても、安全かつ迅速にクラウドに移行したい。しかしながら、システムのクラウド移行を、何度も経験している企業は少ないだろう。特に企業が自分たちで実施するとなれば多くの場合、移行は初めての経験となるはずだ。

 そのため安全かつ速やかに移行するには、クラウド移行の経験が豊富なパートナー企業にサポートを依頼するのが得策だ。

 そして実際に依頼するとなれば、クラウドインフラに関する技術がありSI能力が高いことはもちろん、「パートナーが顧客のビジネスロジックについて理解している必要もあるでしょう」と言うのは、日本マイクロソフト株式会社 パートナー事業本部 パートナーマーケティング統括本部 マーケティング戦略本部 本部長の猪瀬森主氏だ。顧客のビジネス状況を十分に理解した上で、最適なクラウド活用の提案ができる必要があると指摘する。

 性能重視のシステムもあれば、大規模な災害時にも止まることのないミッションクリティカルシステムもある。また個人に関する重要な情報を扱うため、高いセキュリティ性とコンプライアンス対応が求められるシステムもある。オンプレミスからクラウドへシステムの移行をサポートするパートナー企業は、これら多様なニーズに応えられなければならない。

 マイクロソフトでは「Microsoftコンピテンシー」プログラムで、マイクロソフトのパートナー企業の実績と専門知識を評価しその実力を明らかにしてきた。Goldコンピテンシーの認定を得ていれば、企業はマイクロソフト製品やサービスを利用する際に適切な支援が期待できる。

差別化された2つの上位プログラム
差別化された2つの上位プログラム
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 さらにMicrosoft Azureのマネージドサービスを提供するパートナーについては、より高度な専門性を有し安心してクラウド環境の運用を任せられる証しとして「Microsoft Azure Expert MSP(マネージド サービス プロバイダー)」という認定制度も実施している。これはクラウド上でのシステム構築だけでなく運用にフォーカスしており、必須条件を満たすことに加え第三者による多岐にわたる監査を受け合格する必要あり、かなり高いハードルを越えられるパートナーだけに付与されるものとなっている。

 Azure Expert MSPは、Azureのマネージドサービスを提供するパートナーに限定した認定制度だ。マイクロソフトではさらに各種システムのクラウド移行や、Azureで実現するソリューションに特化した「Azure Advanced Specialization」という認定制度も設けている。これは「Windows Server and SQL Server Migration to Azure」「Linux and Open Source Databases Migration to Azure」「SAP on Azure」など、現状7つのソリューションごとに、パートナーの各ソリューションに対する深い専門知識と経験に基づいた高水準なコンサルティング・デリバリサービスが提供できることを証明するものとなる。

Azure Expert MSPは各ソリューションに特化した認定制度となっている
Advanced Specializationは各ソリューションに特化した認定制度となっている
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 Azure Advanced Specializationの認証も、ビジネス実績やサーティファイドエンジニアの数などの条件を満たすだけでなく、第三者機関による厳しい審査が必要となる。「第三者機関の客観的な目で判断した結果による認証となり、顧客企業も安心してパートナーにミッションクリティカルなシステムのクラウド移行、クラウド導入を依頼できます」と猪瀬氏は言う。

 オンプレミスとクラウドでは環境が大きく変化している中で、特にクラウドの進化は速い。パートナーが提供してきた従来のSIサービスなどが、時代背景に合わなくなっている部分もある。結果的に製品導入に対する技術力があるだけでは、クラウド移行時にトラブルに発展することもあるのだ。

 「顧客企業がパートナーを選ぶ際に、Goldコンピテンシーの中だけでは見極められなくなってきました。Azure Advanced Specializationでは、変化にあわせ中身も大きく変わっています」と、日本マイクロソフト パートナー事業本部パートナー技術統括本部 第一技術戦略本部 本部長の森 圭司氏も言う。ビジネス実績はもちろん、技術者の質の高さなどについて第三者機関が厳しい監査を行い、顧客目線で提案できるかを審査しているとのことだ。


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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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