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マイクロソフトが目指す「CAF」による“DX成功”のためのクラウドジャーニー クラウド移行の支援に留まらないCAFの価値とアバナードのサービスとは

edited by Operation Online   2021/04/23 10:00

 DXという言葉が浸透する中で、多くの企業がクラウドを活用した変革に取り組み始めている。その状況下で今注目を集めているのが、マイクロソフトが提供する「CAF(Microsoft Cloud Adoption Framework for Azure)」。とはいえ、まだ活用方法がわからなかったり、実際にどのような優位性があるのか把握しきれていなかったりという人も多いのではないだろうか。そこで今回は、CAFを提供するマイクロソフトとCAFに準拠したサービスをグローバルでの豊富な実績をベースに、いち早く日本の企業向けに提供しているアバナードの担当者を訪ねた。

CAFはクラウド活用の全ステージをサポートする

 デジタル変革で新たな価値を見出し、ビジネスを成長させる。そのためには市場や顧客ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応できる必要があり、それにはクラウドの活用が不可欠だ。またデジタル変革の足枷となりかねないレガシーシステムをモダナイズするのにも、クラウドプラットフォームは最適な選択肢となる。

 そのため多くの企業が、クラウドを利用してデジタル変革に取り組んでいるが、どうも活用し切れていない。あるいは自社ビジネスの要件に合った形で使えていないなど、クラウドの価値を十分に発揮できていないケースも散見される。

 どのようにアプローチすれば、クラウドの導入を成功させて価値を得られるのか。マイクロソフトでは、クラウドを活用しDXを成功させるための実証済みガイダンスとして「Microsoft Cloud Adoption Framework(CAF)」を提供している。では、このCAFとはどのようなものなのだろうか。そして、これを活用してDXを成功に導くには、どのようにアプローチすれば良いのだろうか。

 そもそもCAFとは、クラウドを活用して成功するために必要なビジネス戦略、およびテクノロジー戦略の作成と実装を支援するためのガイダンスだ。もちろんCAFは、クラウド導入をスムーズに実現するためにも利用できるが、それはCAF全体からみれば取り組むべきステージの1つに過ぎないという。

「CAF」は、ビジネス戦略とテクノロジー戦略の両方を兼ね備えた実証済みのガイダンス
「CAF」は、ビジネス戦略とテクノロジー戦略の両方を兼ね備えた実証済みのガイダンス
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 まずは企業が求めるビジネスの成果があり、そのための戦略を立てる。その戦略に向かいどのような体制で、どうクラウドの活用にアプローチするのか。そして導入後にクラウドを活用し、継続して成果を出すところまでを網羅している。

 実際にCAFを活用するためには、各ステージに沿いながらアプローチしていくことになる。まずは、クラウド導入の動機を明確化し、期待されるビジネス成果などを決める「戦略」、デジタル資産の把握から初期の組織配置、スキル習得やクラウド導入計画の策定などを行う「プラン」、共有するAzure環境の準備からベストプラクティスの検証などを行う「Ready」がある。

 次の「採用」のステージでは、既存システムの優先順位に従い実際にクラウド化を実施し、運用プロセスの改善を行う「移行」と、新規システムなどイノベーションを起こすためのアプリケーションの開発が実践できるようにする「イノベーション」の2つが想定されている。

 そしてビジネスの要求に応じた非機能要件の定義とその運用などを実現する「管理」、ベンチマークやガバナンスの成熟などに取り組む「ガバナンス」がある。CAFは、この6つのステージ構成のナレッジフレームワークとなっている。

ステージごとの指針に沿っていくことで、成功へと近づける仕組みになっている
ステージごとの指針に沿っていくことで、成功へと近づける仕組みになっている
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 「それぞれのステージで、必要な項目が定義されています。項目ごとに理想と現実のギャップが出てくれば、それを埋めるためにいつまでにどういう体制で何をすれば良いかをプランニングすることになります」と言うのは、日本マイクロソフト 第一アーキテクト本部 クラウドソリューションアーキテクトの久保智成氏だ。

日本マイクロソフト 第一アーキテクト本部 クラウドソリューションアーキテクトの久保智成氏
日本マイクロソフト 第一アーキテクト本部
クラウドソリューションアーキテクト 久保智成氏

 プランニングしてクラウド化した後には、導入したクラウド環境を継続的に安定して運用できるようにする。その上で、ガバナンスも確保できるようにCAFは設計されている。そして既存システムをクラウドに移行するだけでなく、移行後のモダナイズ、さらにクラウド上でイノベーティブなアプリケーションを継続的に開発するにはどうしたら良いかについても計画し、それを具体的な施策に落とし込むところまでサポートされている。

 またCAFでは、CCoE(Cloud Center of Excellence)をあらかじめ置き、体制を整えてから取り組むことが推奨されている。とはいえ「CCoEはあるに越したことはありませんが、必ずしも最初の段階から必要な訳ではありません。企業の状況に合わせ最初にCCoEの体制を作るところから始める場合もあれば、クラウド活用の戦略を立てながら並行してCCoEの体制を整える場合もあります」と久保氏。CAF自体は、どのような体制でも使える柔軟なフレームワークとなっている。クラウド活用の取り組みを進めるのと並行してCCoEの組織体制を整え、段階的にCCoEに足りない要素を埋めるアプローチも可能だ。

各分野の専門人材をCCoEとして組織させ、クラウド戦略を推し進めていくことも可能だ
各分野の専門人材をCCoEとして組織させ、クラウド戦略を推し進めていくことも可能だ
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 「CCoEの体制も、組織のクラウドジャーニーの段階に応じ変わります。まず取り組む範囲で必要な意思決定者だけをCCoEに取り込み、段階に応じ必要な意思決定者を加えCCoEを育てていく必要があります。CAFでは組織がクラウドジャーニーのどの段階にあるかを把握するのに使える『Cloud Journey Tracker』も用意しており、各々のステージにおける検討事項を明確にし、重要な項目に対する推奨アクションを提示します。また、成熟度に基づいた組織配置の複数の例と、各々のケースで誰が何の責任を持つかのRACIマトリクスも用意しています」と久保氏は述べる。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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