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加藤恭子のエンタープライズIT業界の歩き方

アンディ・グローブ、IBM、OSSコミュニティから学んだもの 〜 日本IBM小薗井さん

連載第9回:日本IBM 小薗井康志氏インタビュー

 IT関連のメディア記者を経験し、エンタープライズIT系のベンダーを経て、PR会社ビーコミ社長としてB2B系の企業広報を手掛ける加藤恭子の連載。今回は、クラウド領域の自社製品やサービスを技術者に啓蒙するアドボケイト活動の傍らで、オープンソースソフト(OSS)コミュニティでも活躍されている日本アイ・ビー・エム(日本IBM)の小薗井康志さんへのインタビューをお届けします。

MSXで知ったパソコンの醍醐味からインテルへ

小薗井 康志氏 日本アイ・ビー・エム株式会社 IBM Technology Garage, Cloud Engineer

――小薗井さんは元々エンタープライズIT業界出身ではなく、社会人としてのスタートはインテルでしたよね。何故インテルに?

小薗井 高等専門学校の1年生の時にコンピューターの授業があって、科学技術計算の学習でFORTRAN(フォートラン)というプログラミング言語を学びました。そこでコンピューターと出合ったのですが、最初は凄く嫌でしたね。当時はパンチカードという紙の記録媒体に1枚1行のプログラムを書いて、プログラムを動かしていたのですが全然面白くなく、「何でこんなことやっているのだろう?」と思っていました。ところが後日、弟が買ってもらったパソコンをいじってみたらこれが意外と面白くて、すっかりはまってしまいました(笑)

――当時買われたのはどんなパソコンでしたか?

小薗井 カシオのMSX規格のパソコンで、2万円か3万円で買えるマシンでした。

――そうでしたか!私も子供の頃、ゲーム用に持っていました(笑)

小薗井 ゲームにもはまりましたが、数学が好きだったのでプログラムに熱中し、今の若いエンジニアがPythonでやっているようなことをBASIC(ベーシック)でやっていましたね。当時発売されていたMSXマガジンやBASICマガジンをボロボロになるまで読み、それで色々とマシン言語やCPUについて勉強していたら、インテルという会社が色々なところに出てきて、「これは入るしかない」と思い、1989年にインテルに入社しました。

アンディ・グローブのマネジメントがOKRを生んだ

――インテルは、社内ではメールをはじめすべて英語でやりとりをすると聞いたことがありますが、戸惑いはなかったですか?

小薗井 英語に関してはありましたね。やり取りのさなかで先輩に文法の間違いを直されたりもしましたし。ただ、社会人として最初の会社だったので、こんなものかなと思っていました。言語のみならず、英語圏のカルチャー的なことは受け入れるしかなかったのですが、後に転職して困ったことはありました。午前中に「お疲れ様です」といわれて、「疲れていませんよ」と返してしまったり(笑)

――インテルではどのような仕事をされていたのですか?

小薗井 最初は、フィールドアプリケーションエンジニア(FAE)をしていました。お客様のところに行ってインテルのプロセッサーを技術的に売り込む仕事なのですが、実は最初の担当が日本IBMだったんです。IBMは昔ハードディスクを作っていたのですが、その中にインテルのチップが入っていて、それを技術的にサポートするのが最初の仕事でした。

――近年、OKR(Objectives and Key Results)という企業の目標管理手法が注目されています。まず会社が目標と成果指標を設定し、それに紐づいた目標と主要な結果を部門、チーム、個人のそれぞれが設定し、進捗確認と評価を高い頻度で行っていくという目標管理のフレームワークで、GoogleやFacebookが採用して話題になっていますが、OKRはインテルで誕生したといわれていますよね。

小薗井 インテルではOKRではなく、“IMBO”と呼んでいました。1950-60年代にMBO(Management by Objectives)という企業の目標管理手法が普及したのですが、それを時代に併せて変えていこうとしたのが、当時インテルのCEOだったアンディ・グローブで、MBOをインテル版に変えたものがIMBO[※1]です。

 インテルは1970-90年代に凄く成長しましたが、その中の原動力となったのがアンディ・グローブとIMBOだったと思います。個人的にも、インテルの思い出の中で一番大きいのがIBMOですね。働くときの基本がIMBOだったので、自分としては社会人としてのルールに近いものとして今も頭の中にあります。

――目標を設定したり、追跡していって再評価したりするような思考が自分の頭の中にあって、従業員もみんな同じ方向を向いて優先順位をもって進めていくという仕事の流れを知っている――。そのような考え方が染みついていると、組織としても仕事を進める上でも効果は大きいと思います。

[※1]参考:『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』(ジョン・ドーア 日本経済新聞社)

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「Linuxをなんとかしろ」アンディ・グローブからの大号令

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この記事の著者

加藤 恭子(カトウ キョウコ)

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。 現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。日本PR協会認定PRプランナー

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

石田仁志(イシダヒトシ)

IT系フリーライター、記者。IT系の業界紙で記者として15年活動、編集部門のトップを経てフリーに。エンタープライズ系からTech系、組込み系まで幅広い領域を取材。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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