
NECが「2025中期経営計画」において掲げていた社内文化と経営基盤の変革をけん引するため、本年4月よりCEO直下に「Transformation Office」が組織されている。従来までの「制度」「プロセス・組織」「IT」という軸に、新しく“データ・人”を加えた「三位一体 Plus Oneの改革」を目指すという同社は、6月14日にメディア向けの説明会を開催した。はたして、500億円超の投資をおこなうという変革プロジェクトとはどのようなものなのか。説明会で語られたプロジェクトの概要をリポートする。
「コーポレート・トランスフォーメーション」を実現へ
はじめに、NECの中期経営計画(PDF)に関する考え方として「コアDX(お客様のDX)」「コーポレート・トランスフォーメーション(社内のDX)」「フラッグシッププロジェクト(社会のDX)」という3つが掲げられていたが、今回の説明会では、社内改革にあたるコーポレート・トランスフォーメーションについて言及された。

同社では社内変革として社員10万人のリモート環境の整備、スーパーフレックス制度の導入などをコロナ禍前から着手していたという。また、働き方改革についても2018年から着手しており、ERPを中心とした経営基盤の刷新は10年前から進められている。一方で、ビジネス環境が大きく変化する中では、ビックデータやAI、業務クラウドなど最新のテクノロジーを取り入れる必要があると説明する。同社のこうした社内の改革に対する取り組みは、「DX銘柄2021」「デジタル×コロナ対策企業(レジリエンス部門)」のダブル受賞という形で評価されていると同代表取締役 執行役員社長 兼 CEO 森田隆之氏は述べる。

そんな同社が、CEO直下の組織として新しく立ち上げたのが「Transformation Office」だ。CDOやCIO/CISO、CHROなどCxOがコーポレートの改善、事業改善の双方でトランスフォーメーションを推進していくための新たな軸としての役割を担うという。

森田氏は、「従来も各CxOごとに制度、プロセス、組織、ITの改革を進めてきましたが、今後は包括的に進めていくことが必須となってきます。そのため、コーポレート、事業を横断したアジェンダを設定し、これまでの制度、プロセス・組織、ITに“データ・人”を加えた、総合的な改善を進めてまいります」と説明する。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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