学校の卒業記念品など各種記念品を販売している、株式会社グランドパワーの業務システムは、アプリケーションベンダーの開発中止もあり、様々なトラブルを抱えていた。 そこで独自に情報を収集した結果、新システムのプラットフォームとして採用を決めたのがFileMakerだ。システム更新の第一段階では旧システムの踏襲が主眼だが、攻めの経営につながる新機能も盛り込まれている。 代表取締役の久保英人氏をはじめとする担当者にその概要と狙いについて伺った。
様々なトラブルを抱えていた旧システムの更新を決意

大阪府松原市に本社を置く株式会社グランドパワーは1982年以来、学校の卒業記念品販売を業務の中心としてきた。
代表取締役の久保英人氏は「当初の顧客は高等学校が中心で、その後中学校、短期大学、四年制大学と対象を広げ、現在の顧客数は約1,000校に及びます。販売地域も関西中心から西日本、東日本へと広がり、全国に拡張してきました」と語る。
そのため、2003年には東京営業所を開設した。さらに学校以外の販路を広げるべく、2004年からインターネット事業部「記念品工房」を開設している。
グランドパワーにおける業務管理システムは、アスキーシングルウッド社のカード型データベースソフトThe CARDにより構築されていた。ところがThe CARDは開発元の業務停止により、2003年12月でサポートが終了してしまった。
そこで新たな業務システムの構築が検討されたが、まず、既存の販売管理パッケージなどでは対応できないことが分かった。なぜなら記念品販売というのは、単に商品を仕入れて納入するわけではないからだ。
先方の希望に沿って名入れをし、複数の商品をセットにして特別な袋に入れることもある。グランドパワーのシステムは、そうしたプロセスをすべて把握し、管理できるようにカスタマイズされていたからだ。
そこでオリジナルのシステムを新規構築することが検討されたが、1ヶ月かけた打ち合わせの後に出てきた見積額は、当時の年間売上高と比較しても到底受け入れることが不可能な高額なものだった。
そこでやむなく旧システムの使用を継続。ところが業務の拡大により、扱うデータ量がソフトの能力以上に肥大化し、さらに本来サポートされていないネットワークも利用したため、様々な不具合が発生することになった。
「特に繁忙期になると、1日に何度もフリーズし、その都度全パソコンを再起動しなければならず、業務に大きな支障が出たのです。そこで改めてシステム更新を決意しました」と久保氏は語る。
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ITイニシアティブ編集部(ITイニシアティブヘンシュウブ)
経営・ビジネス・ITをつなぐ実践情報誌「IT Initiative」編集部
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