ビジネスプロセスモデリング記法の種類
これまでに、ビジネスプロセス モデルのために数多くの記法や言語が提案されてきました。また、各社からさまざまなビジネスプロセス モデリング用のツールがリリースされています。その多くが記号(ノード)を矢印(アーク)でつないで、ビジネスプロセスを表現するものとなっています。このようにノードとアークから構成される構造をグラフ構造と呼びます。
グラフ構造のノードとアークでそれぞれ何を表現するかによって、ビジネスプロセス モデリングのための記法を次のように大別することができます。
- ビジネスアクティビティを中心とした記法
- ビジネスオブジェクトを中心とした記法
ビジネスアクティビティを中心とした記法
これは、アクティビティとその実行順序を、それぞれノードとアークで表現する記法です。アクティビティと実行順序に加えて、制御の条件分岐や並行処理を表すための記号や、ビジネスオブジェクトの流れ(オブジェクトフロー)を表現するための記号が追加されます。
UMLのアクティビティ図やBPMN(Business Process Modeling Notation)はこの分類に含まれます。UMLのアクティビティ図を用いて記述した簡単なビジネスプロセス モデルを図1に示します。
この記法では、業務の流れを直接表現できるために、直感的に理解しやすいものとなります。また、ワークフローシステムやビジネスプロセス エンジンによる実装にも適しています。このため、多くのビジネスプロセス モデリングツールでは、これに類する記法を採用しています。