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中堅企業のためのERP導入指南

ERP導入プロジェクト成功への秘訣(その2)

第6回:運用開始後のシステム維持管理体制の事前検討

システムを導入しただけでは、導入プロジェクトのゴールとは言えません。運用体制を定め、担当者へ知識移管を行う事が大変重要です。今回は、システムが運用を開始してからの維持管理体制について事前に検討すべき項目を紹介します。

導入プロジェクトのゴールはシステムの導入では不完全

 導入プロジェクトでは、システムを無事導入しただけで満足しているベンダや企業が多くあると思います。それでは不完全で、システムの運用開始直後からユーザがシステムをスムースに運用できる体制を定め、その担当者への知識移管を十二分に行う事が大変重要です。

 山登りに喩えると、システムの構築はまだ五合目辺りです。データ移行や知識移管(ユーザ教育)などを行って無事に運用開始に辿り着いてようやく八合目あたり、運用開始後の維持管理体制をしっかり作れて初めて頂上到達ではないでしょうか。

忘れられがちなシステム運用開始後の作業と維持体制

 ERPなどの基幹システム導入の際に、結構忘れがちなのが運用開始後のシステムを誰がどのように維持管理するのかについてです。これは単にサーバやネットワークといったH/Wの維持管理やデータのバックアップを言っているのではなく、業務部門で行うマスタデータのデータ項目定義と新規登録、新入社員向けの操作教育、また機能の追加・変更に関して、だれが責任を持つのかについてです。

 これが大変重要なことなのですが、失敗プロジェクトの多くはこれについてプロジェクトの終了間近になって決めているケースが多くあります。そのためプロジェクトの後半から運用開始後はドタバタの連続で、システムを安定稼動させるのに半年をかけてしまったようなことになってしまいます。

次のページ
運用体制で決めるべき事項

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この記事の著者

松本 繁治(マツモト シゲハル)

米国系FA(ファクトリーオートメーション)機器メーカで生産設備の制御および管理システムの構築を手がける。その後、国内コンピュータメーカで販売管理や生産管理のシステム構築を経験。1998年からは外資系ERPベンダ(SAPジャパン)でコンサルタント/プロジェクトマネージャとして約6年間従事。外資系コンサ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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