導入プロジェクトで一番重要な作業はデータ移行と知識移管(ユーザ教育)
ITシステムの導入プロジェクトにおける一番の目的は、システムを構築(開発)することでしょう。では、一番重要な作業(タスク)とは何でしょうか。それは、データ移行と知識移管(ユーザ教育)といっても過言ではありません。
移行データに不備があったり、ユーザが操作を十分に習得していないが故に、システムの稼動を延期せざるを得ないケースはいまだに後を絶ちません。場合によっては、システムの運用を開始した後にトラブルが多発してしまうこともあるようです。
スケジュールどおりにシステム構築を完遂し、稼動後は円滑な管理運用ができること。つまり、プロジェクト全体としての成功を手にするためには、先ほどの述べた2つの作業、データ移行と知識移管をキチンとこなすことが重要です。よって、これらの作業に対して、入念な準備を行い、体制を整え、作業実施工数(期間)を十分に確保することが必要になるのです。
ここまでの話を自動車で喩えてみましょう。システムは自動車、データはガソリン、そしてユーザの習熟度は運転技量に相当します。つまり、システムがあるだけでは、その便益を享受することはできません。自動車(=システム)を動かすためには、灯油(=不正なデータ)ではなくガソリン(=正しいデータ)を入れておく必要があります。運転席に座る人間(=ユーザ)は、公道を走る(=本番稼動)前までに運転免許証(=システムの使い方を習得する)を取得しておく必要があるわけです。