ミロ・ジャパンは6月14日、国内外の事業の進捗および最新の製品戦略に関する記者説明会を開催。同社が提供する、オンラインホワイトボード・コラボレーションツール「Miro」が6月13日から日本語に対応したことを発表した。
会見には同代表執行役社長の五十嵐光喜氏が登壇し、同社の近況を報告した。まず、五十嵐氏は同社のミッションとして「Miro」を日本企業に広めることだと説明。その上で「かつて世界を席巻していた日本企業の強さは『全員参加型の議論』にあったと思う」と述べた。コロナ禍のリモートワークで就業環境が変化していることを挙げ「(会議で)手を挙げる必要がなく、社員全員が考えを自由に発言できる環境を提供していく」と意気込んだ。
2021年11月に事業を開始した日本法人のミロ・ジャパンは当初「片手にも満たない社員で事業をスタートした」という。同社は体制を、今夏中に50人、来年には100人に拡大すると発表。同社事業のアップデートについては次の3つを挙げた。
1. ローカルコミュニティ
Miroが持つ強さの一つに、ローカルユーザー同士のコミュニティプラットフォームである「Miroverse」がある。日本のユーザー向けに、日本語のミロテンプレートを共有する「Miroverse Japan ローカルテンプレート」を提供。さらに、6月13日より日本語UIを正式リリースしたことを発表。
2. ユーザー数
2021年11月時点で国内ユーザーは50万だったが、5月末時点で20万増の70万ユーザーに達したという。五十嵐氏は、日本語テンプレートのリリースにより「さらに加速して増えていくことを期待している」と述べた。また販売戦略としては、海外の他拠点で行っている「ランド・アンド・エクスパンドで、利用者目線で拡大していきたい」とした。
3. 企業利用
2021年11月時点でTOPIX100の企業のうち利用企業は50%だったが、5月末時点で60%に伸長。導入事例としてNECを紹介した。同社ソフトウェア&システムエンジニアリング統括担当統括部で、製品開発のプラットフォームとしてMiroを利用しているという。同部では、製品開発をアジャイル開発で行っている。従来対面だったが、拠点をまたいだり、フルリモートだったりと、開発環境が大きく変化したことから、Miro上にワークフローを展開。その結果、迅速なチームの立ち上げや、既存のツールともシームレスに連携でき、エンジニアの業務効率につながっているという。
続いて、Miro 最高マーケティング責任者(Head of Marketing)のポール・ダーシ―氏が製品戦略について説明した。まず、2020年のパンデミックによって働き方に大きな変化があったことを挙げた。中でもテレビ会議の時間が増えたという。2022年にMicrosoftが実施した調査によると、昨対比の増加率は、週次の会議では150%、週次会議に費やす時間は250%だったとしている。ポール氏は「以前はビルの中で仕事をしていたが、今日ではソフトウェアの中で仕事をしています。使うソフトウェアによって社員のエンゲージメントが変わります」と述べた。
その上で、従来のツールはハイブリッドワークのために設計されておらず、テレビ会議が増えていると指摘。一方Miroは、どこにいてもオンライン上でともに働ける点や、同期・非同期のコラボレーションへの対応などを挙げ、ハイブリッドワークに適していることを強調した。
また、会見ではQRコードを読み取ることでコメント追加できる機能など、下図の機能も発表された。
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