富士通は、顔などの情報が写っていない映像から、人の歩き方（以下、歩容）をもとに人物を高精度に照合できる歩容照合技術の開発を発表した。
近年、AIを活用した映像解析により、カメラ映像から顔や全身などの特徴に基づき、特定の人物を効率良く照合する技術開発が進んでいる。しかしカメラ映像に映る人のサイズや歩く位置など、すべての条件を網羅した再学習は困難なため、実用化に向けた大きな障壁となっていたという。
本技術は、人の関節点の座標から姿勢を推定する汎用深層学習モデルと同社の独自技術を組み合わせることで、顔などの情報を必要とせずに高精度に人物を照合可能とのこと。
同社で約1,700人を対象に撮影したカメラ映像から作成した大規模データセットを、学習済みの汎用深層学習モデルを用いて照合した結果、これまでの技術では50％未満の精度のところ、本技術では約90％の高い精度で人物を照合することができたという。
今後は、迷子や高齢者の捜索など様々な場面で活用できるよう実証に取り組み、2023年度までの実用化を目指すとしている。
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