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EDB Postgresの強みは「Oracle互換、クラウド最適化、デベロッパー支持」:EDB CEO語る

EDB CEOエド・ボヤジン氏インタビュー

 オープンソースのDBMSとして、30年以上の歴史を持つPostgreSQL。長年、DBエンジニアに支持されてきたが、近年、その商用バージョンであるEDB Postgresの導入も増えてきているという。EDBのCEO Ed Boyajian(エド・ボヤジン)氏が来日し、EDB Postgresの支持されている理由について語ってくれた。

EDBのCEO Ed Boyajian(エド・ボヤジン)氏
EDBのCEO Ed Boyajian(エド・ボヤジン)氏

なぜPostgreSQLは開発者に支持されるのか

──オープンソースのDB市場の中で、PostgreSQLはどのような位置づけでしょうか?

 おおまかに言えば、DBの市場は現在、約850億ドルと推定されています。その中で、Oracleをはじめ、マイクロソフト、Sybase、IBMなどの商用DBの市場が50%、残りの50%をオープンソースDBが占め、その中でPostgreSQLがリードしています。

 PostgreSQLが台頭してきた理由は大きく2つあります。第1にDBのエンジニアに支持されていること。『Stack Overflow』の7万人への調査によると、デベロッパーの中ではPostgreSQLが「最も愛され」「求められる」という結果です(※)。エンタープライズのアプリケーションも、PostgreSQL上で開発されるものが最も多いのです。

 [画像クリックで拡大]

 ※ 出典元:2022 Developer Survey: https://survey.stackoverflow.co/2022/

 第2に、PostgreSQLの技術的な進化です。われわれEDBをはじめ、多くの団体がPostgreSQLを進歩させてきたことで、商用のプロプライエタリなDBに匹敵する性能になりました。EDBはその開発の最前線にいて、世界中のどの企業よりもオープンソースのPostgreSQLプロジェクトに貢献しています。私自身、EDBに参画した2008年以来、14年間ずっとパフォーマンス、拡張性、ユーザビリティ、セキュリティと、Oracleとの互換性の向上に関わっています。

 最近では、極めて高い可用性を実現する機能が追加され、従来のデータセンターだけでなく、クラウド上のフルマネージドのデプロイの市場においても、EDBはポジションを確立しています。

他のOSS DBとの棲み分けは?

──他のオープンソースDBとの棲み分けは? またOracleが買収したMySQLとの差異はどうなのでしょうか?

 機能特化型のオープンソースDBは数多くありますが、多くは単一の企業がコントロールしています。PostgreSQLは、独立したオープンソースプロジェクトであることです。Linuxも独立したRed Hatによって商用化されていますが、独立したオープンソースプロジェクトです。PostgreSQLではEDB社がその役割を担っているのです。EDBには300人以上のPostgreSQLエキスパートが在籍しています。また、PostgreSQLに貢献している企業の情報のうち、30%以上がEDBからのものです。

 独立したオープンソースプロジェクトであることの条件は何かというと、単一の企業ではなく、コミュニティによって運営されているということです。一方、MongoDBは、MongoDB社、RedisはRedis Labsの1社が開発・運営を行っています。こうしたDBはそれぞれの専門機能に特化しており興味深いものですが、PostgreSQLはそれらと競合するものではありません。エンタープライズの広範なアプリケーションやワークロードで利用されています。アナリティクスでも利用されていますが、いわゆるSoE(Systems of Engagement)や、バックエンドDB型のWebサイトに幅広く用いられています。汎用性が、デベロッパーに訴求しているといえます。

 MySQLはOracleに買収される前は、独立したオープンソースプロジェクトで、PostgreSQLと比較されていましたが、どちらかといえば軽量でシンプルなDBといえ、堅牢なエンタープライズのアプリケーションのためのPostgreSQLとは競合しないと考えています。

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Oracle DBとの互換性

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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