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一度は断った入社オファー。このタイミングでインフォマティカ・ジャパン社長への就任を決意した意図とは

就任から5ヵ月──長らくデータビジネスに身を置く渡邉氏が進める新天地での戦略

 米インフォマティカは1993年に設立、当初はETL(Extract Transform Load)製品で市場をリードし、ここ最近はデータ管理全般にソリューションを拡げている。2021年4月には独自開発のAIエンジン「CLAIRE」を搭載した「Intelligent Data Management Cloud」を発表し、ハイブリッド、マルチクラウド環境で企業が効率的にデータを管理することでデータ主導型のビジネス変革を支援している。ETLツールベンダーからデータマネージメントの総合ベンダーに進化するインフォマティカ。同社の日本法人を新たに率いることになったのが、2022年7月に代表取締役社長に就任した渡邉俊一氏だ。社長として5ヵ月あまりが経過した中、日本のビジネスの現状と今後の戦略について話を訊いた。

渡邉氏のインフォマティカとの縁

 インフォマティカ・ジャパンの社長就任前、渡邉氏はグローバルITコンサルティング企業のキャップジェミニで金融営業統括責任者を務めていた。それ以前は英国ロンドンに本社を置くフィンテック企業であるFINASTRA(旧Misys)ジャパンで、日本支社代表を経験。つまりここ最近は、金融分野でのデータ活用領域に関わってきたわけだ。

 さらにその前には、経営管理やBIソリューションを提供していたハイペリオンソリューションズ(2007年にOracleに買収)に所属しており、同氏はデータのビジネスには長く関わっている。その上でインフォマティカとは、10年以上にわたり接点があるという。遡ること2007年、ローレイテンシーのトレーディングシステムを扱っていた「29West」の日本法人の立ち上げに関わり、同法人の代表に就任。その3年後の2010年、同社はインフォマティカに買収された。「買収時にインフォマティカに来ないかとの話はありました。しかし当時のインフォマティカはETLベンダーで、私がやりたいこととは少し違うところもありジョインしませんでした」と振り返る。

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インフォマティカ・ジャパン 代表取締役社長 渡邉俊一氏

 渡邉氏はその後も、インフォマティカの動向を見続けていたという。同社は2015年にNASDAQの上場を廃止し、それまでの製品アーキテクチャを刷新して新たなデータマネージメントソリューションの会社に変貌。その成果をもち、2021年10月に改めてニューヨーク証券取引所に再上場した。

 この間に市場はDXやデータマネージメントが新たなトレンドとなる。「インフォマティカが、その良い流れに乗ったなと感じていました」と渡邉氏。現在のインフォマティカには、29West時代の同僚が何人かいるという。CPOもその一人で、2022年に彼から声がかかる。「インフォマティカが良い形でトランスフォームしていたのは見ていました。それが自分のやりたいこととも合致していたので、今回はジョインすることにしました」と話す。

 企業におけるDXやグローバルビジネスへのトランスフォーメーションでは、データが鍵となる。金融業界などで渡邉氏が取り組んで来た経験は、まさにDXやグローバルビジネスのトランスフォーメーションでデータを活用するための支援だった。その経験をインフォマティカでは、業界を問わずに生かせると渡邉氏は考えたのだ。

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日本にはデータ活用のビジネスで大きなポテンシャルがある

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)

EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。

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