2月8日、セゾン情報システムズは、「HULFT Square」リリースにともなう記者説明会を開催した。
「HULFT Square」はiPaaSであり、次世代クラウド型データ連携プラットフォームとして2月9日に販売開始される。同社 代表取締役社長 葉山誠氏は、「2019年からやっているデータプラットフォーム事業の中核として『HULFT Square』をリリースする」と述べる。
同製品の想定事例として、東証コーポレートガバナンス・コードの改訂などを受けて機運の高まるCO2排出量の分析や可視化を提案。Scope1からScope3にまたいだ正確なデータを産出するためにはデータ連携が不可欠であるとして、関連企業のデータをつなぐことも想定しているという。
また、同社取締役 事業推進管掌 兼 上席執行役員 DIビジネス統括 石田誠司氏は、SaaS活用が浸透してきているという現況に触れて、システム間連携や拡張が課題になっていると指摘。データ連携こそがDX実現の鍵になるとして、「データ連携における一連のプロセスを考えると大変難しい。ここを『HULFT Square』で担っていく」と述べる。
同製品では、大きく4つ「送受信・接続」「識別・可視化」「統合」「公開」の連携機能群を用意しており、下図6つの特長を備えていると紹介。「『こういう分析ができるんだ』という手ごたえを、1日や2日で感じていただける」と自信をのぞかせる。
具体的な6つの特長については、同社執行役員 DevOps副統括 兼 NH2024プロジェクト担当 有馬三郎氏が「SaaS連携の増加」「レガシーとクラウド連携の課題」という2つの課題を提示しながら説明を行った。
前述した2つの課題については、ビジネス部門がSaaSを独自導入することによるガバナンスの低下、オンプレミスとSaaSをつなぐ方法が多様であり手間がかかる点を指摘。加えて、RPAを利用すると簡単につながる一方で、安定性やデータ量の増大に追従できなかったり、オンプレミスとの連携において個別開発が発生したりするとした。
こうした課題に対して「HULFT Square」では、前出の「スモールスタート」「ITフレンドリー」「グローバルで利用可能」「ユニバーサルリンク」「ユーザーフレンドリーな操作性」「安全安心なサポート体制」という6つの特長で解決を図るという。たとえば、規模が小さな組織でも利用可能であり、RPAと異なりスケーラビリティも担保。部門単位でインスタンスを作成できるためセキュアに管理できるとした。また、APIマネジメントを強化しており、SaaS間連携においてもGUIから簡単に実現できるという。
「データエンジニアやサポートエンジニア、ビジネス部門の人にこそ『HULFT Square』を触っていただきたい」と有馬氏。同製品では、ワークスペース機能を提供しており、営業や法務など部門名でワークスペースを切ることで、セキュアにアクセスユーザーを管理できるだけでなく、ユーザーの視認性も高いとした。また、グローバルチームでも利用可能なように、GDPRとCPRAに準拠しており、SOC2サポートもあるため監査負荷も軽減できるという。
なお、2023年10月頃にグローバル展開を予定しており、関連サービスを含めて4年間で500社、100億円規模を目標としている。